唐突ですが問題です。

Q1.これはデジタルカメラ用のバッテリーです。2種類の製品が写っています。片方が正規品、もう一方が偽造品です。偽造品はどちらでしょう。

Q2.これはメモリースティックです。こちらも、2製品のどちらかが偽造品です。どちらでしょうか。

 正解は、Q1は、Q2はが偽物です。どうです。分かりましたか。正しく見分けられた人は、ほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。

 見かけ上、メーカー製品をそっくり真似ている「偽造品」がネットオークションに出回っています。もう少し専門的な言葉で説明すると、偽造品は商標を侵害している製品のことを指します。

 主なパソコン関連の偽造品は、デジカメ用バッテリー、メモリーカード、USBメモリー、インク、トナーなど。こうした偽造品が多く出回るようになったのは、最近のことです。「2006年3月ごろから、オークションで出回るメモリースティックの偽造品の数が急激に増えました」(ソニー)。

 勘違いしないでいただきたいのは、互換品と偽造品は全く異なるということです。偽造品は、メーカー名や製品名を正規品と同じにし、ユーザーが正規品だと誤解するように作ります。あえてそうしているのです。名の通ったメーカーの名前を悪用して、ユーザーに購入してもらいます。一種の詐欺行為です。

 一方の互換品は、社名や製品名が正規品とは異なります。パッケージの色なども正規品とは変えて、ユーザーに錯誤を与えないようにしています。

 偽造品は、一般に正規品よりも割安に入手できます。しかし、購入するメリットはありません。なぜなら、安全性や品質に問題があるのです。

 例えば、バッテリー。昨年、ノートパソコン用のバッテリーの発火問題が起こったのは記憶に新しいことと思います。バッテリーは安全対策をしないといけない部品です。

 デジカメ用バッテリーを販売しているキヤノンによると、海外では偽造バッテリーを使った発火や破裂の事例があるといいます(写真)。

 幸い国内では、こうした事故は起きていませんが、いつ起こるとも限りません。顔の近くで使うことの多いデジカメが破裂したり、発火したら…考えると、震えが止まりません。

 偽造品に対して、メーカーは責任を負う必要はありません。そうはいっても、「キヤノン」と書かれたバッテリーが破裂すると、ユーザーはキヤノン製のバッテリーが破裂したかのように誤解してしまいます。ユーザーの安全性を守るため、「自分たちが作ったものではないとはいえ、見過ごすことはできません。偽物が出回らないようにオークションを監視しています」(キヤノン)。

 メモリースティックの偽造品も規格外のため、挿入した機器の端子が壊れた例があるといいます。データが消えてしまったり、データを保存できないという事例も実際に報告されています。そこで、ソニーはメモリーカードのオークションページに、注意をうながすための広告を出しています(写真)。

 こうした危険性を承知なら、あえて偽造品を購入することはないでしょう。そうはいっても、偽造品を見分けるのは非常に困難です。冒頭の問題に戻りますが、私はメーカー取材時に正規品と偽造品の両方を手にとって見ました。その結果、「両方にわずかな違いがあることは分かっても、『こちらが偽物です』といわれないと、どちらが本物かまでは分からなかった」のです。

 見分けるコツが全くないわけではありません。例えば、価格が正規品より大幅に安い、海外から出品されている、商品紹介に「トラブルを避けるため、神経質な方の落札はご遠慮下さい」と書かれている--などです。ただ、これらが確実な決め手になるわけではありません。実際、メーカーの担当者も「買ってみないと分からない」と言っています。

 オークションでは、正規品も取引されています。なので、オークションを一切使うなとはいえません。ただ、見ず知らずの人からパソコンの周辺機器を購入すると、火の粉が降りかかる危険性があるということは知っておいて損はないと思います。

■変更履歴
記事公開当初、画像ファイルが正しく表示されていませんでした。ご迷惑をおかけしましたことをお詫びします。[2007/02/02 12:25]