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山本 正己氏
富士通 経営執行役
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 パソコンを購入したものの、うまく使いこなせていないユーザーが多い。そう考える富士通は、Windows Vistaの発売をきっかけに、既存ユーザーの買い替え需要を掘り起こしたいとしている。デジタル放送を一つの核に個々の機能の完成度を高め、家電感覚で親しめるパソコンを提供するという。富士通経営執行役の山本正己氏に聞いた。

■2007年はどのようなパソコンをユーザーに提供しますか。

 まずは、Windows Vistaのメリットを生かして、誰でも簡単に扱え、セキュアで安心できるパソコンを提案していきたいと考えています。Vistaのメッセージは、パソコンに親しんでもらいたいということ。当社もマニュアルを調べたり、人に尋ねたりしなくても、直感的に使える製品を提供することを目指しています。

 2001年にWindows XPのパソコンを買ったユーザーが、その後、特に買い替える動機がなく、パソコンから離れてしまうケースも少なくないようです。そういうユーザーに対して、Vistaの発売をきっかけに、ユーザビリティとセキュリティの両面から、安心して使える環境をアピールしたいと考えています。

■パソコン市場を活性化するには何が必要でしょう。

 いろいろな統計から考えると、パソコンの買い換えサイクルはどんどん伸びています。「もっとこんな風にも使えます」とユーザーに伝えなければ、買い換えサイクルは伸びるでしょう。以前のパソコン業界は、「パソコンはいろいろできるので、工夫して使ってみてください」とユーザー任せにしていました。何でもできる道具としての特徴を強調しすぎていました。パソコンはどんどん進化しています。その進化を買い替えサイクル短縮につなげたいと考えています。Windows Vistaの発売は、買い替え需要を生み出す、大きな要素の一つです。

 昨今、テレビとして使われることを想定したテレビパソコンが増えています。テレビの機能はどうやって使うのか。テレビなのだから、当然、リモコンで操作できるようになっていなければいけません。テレビの商品、インターネットの商品、デジカメ編集の商品など、商品としての完成度をメーカーが高めることが重要です。当社も使いやすさを前面に出し、個々の機能がそれぞれ一つの商品となるまでパソコンの完成度を高めていきたいと考えています。

■買い替え需要を掘り起こすための具体的な方法は。

 第一弾としてはデジタル放送です。テレビのように家電感覚で使える機能を付加すれば、パソコンに親しんでいただくきっかけができます。当社には、地デジチューナーを搭載したノートパソコンが以前からありますし、ワンセグに関しては、メインストリームのA4ファイルサイズの機種にも入れました。上から下まで、全部のプラットフォームにデジタル放送対応機種が含まれます。

 デスクトップパソコンでは、新しいシリーズとして「TEO」を投入します。テレビをパソコンのディスプレイとして利用することで、テレビとパソコンの融合を図る製品です。DVDレコーダーなど何台もの機器を接続しなくても、1台のTEOで済ませられる。インターネットでさまざまな動画を探してアクティブに視聴することも可能です。受信機のテレビがパソコンとつながると、新しいものが出てくるのです。

 HDMI端子がテレビに標準搭載されるようになったので、接続もしやすくなりました。今後のデジタル家電のあり方として、テレビとパソコンの乖離を解消することは重要なテーマです。その課題に対して、TEOシリーズは新しい回答を提示します。

 また、GPSやカメラ、いつでもどこでもネットワークにつながる機能など、携帯電話の良いところをどんどん取り入れて、モバイルパソコンの新しい使い方を提案していきたいと考えています。

 Windows Vistaの発売をきっかけに、新しい提案が各メーカーから出てくるはずです。2007年はパソコン・リニューアルの年になるでしょう。