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高須 英世氏
NECパーソナルプロダクツ
代表取締役 執行役員社長
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 「PLC」や「IEEE802.11n」といったネットワーク技術によってホームネットワークが普及すれば、ホームサーバーの役割を担うのは家電ではなくパソコンになる。2007年は、新しいテクノロジーの数々がパソコン開発の方向性を左右するという。NECパーソナルプロダクツ代表取締役執行役員社長の高須英世氏に聞いた。

■Windows Vistaがユーザーに提供するものは何ですか。

 Windowsはバージョンアップを重ねるごとに機能が増えてきましたが、操作はむしろ簡単になっています。Vistaでは、多彩なオーディオ・ビジュアル関連の機能を、家電感覚で扱えるようになりました。Vistaの発売はパソコン業界全体にとって大切なイベントです。フレンドリーなユーザーインタフェースをはじめとしたメリットをマイクロソフトとも協調しながら、業界を上げてアピールする必要があると考えています。

■NECの春モデルの一番の特徴は何ですか。

 Windows Vistaはカスタマイズできる部分が増えたので、メーカーごとの特徴を出しやすくなりました。当社の春モデルの売りは、テレビ視聴・録画ソフトの「SmartVision」です。デジタル放送の録画から編集、そして他のパソコンへの配信まで、さまざまな機能を一貫性のあるUI(ユーザーインタフェース)でまとめたオリジナルソフトで、他社に先行している自負があります。

■2007年のパソコンの進化は、何がポイントになるでしょう。

 今後はOSの変化より、テクノロジーの変化が製品開発のベースになると予想しています。キーワードは、ホームネットワークとモバイルだと考えています。PLCやIEEE802.11nによって、ホームネットワークが変化します。加えて、IEEE802.11nの公衆接続サービスが増えれば、モバイルでも新しい使い方が提案されてくるでしょう。2007年は、ワイヤレスUSBやハイブリッドハードディスクも普及するでしょう。これらをいかにタイムリーに製品へ取り込むかが重要な課題です。

■テレビとの融合は引き続き大きなテーマとなるでしょうか。

 はい。ただ、テレビとパソコンとでは役割が異なります。テレビは大画面化していますが、パソコンは書斎など各人の部屋で使うのにちょうど良い20インチ程度が主力になります。

 パソコンの重要な役割はホームサーバーです。PLCやIEEE802.11nが普及してホームネットワークができあがると、家庭の中にデジタルコンテンツを保存しておくサーバーを設置して、パソコンをはじめとしたさまざまな端末からアクセスするような使い方が出てくるでしょう。外出先から家のサーバーにアクセスするなど、ユビキタスな使い方も可能になるはずです。こうしたホームサーバーは、家電ではなくパソコンの領域だと考えます。デジタルコンテンツを単に配信するだけでなく、新しいテクノロジーをすぐに導入できる優位性を生かした、多様な楽しみ方を提案できるでしょう。

■2007年のパソコン市場はどうなるでしょう。

 2007年の2~3月に、パソコンの出荷台数が対前年比で110%くらになれば、2007年はかなり期待できると思います。2007年はワールドカップやオリンピックなど大きなイベントがない分、2006年より大型テレビやDVDレコーダーへ需要が流れにくと考えられます。新しいテクノロジーも需要を喚起するでしょうし、パソコン業界にとっては良い年になりそうです。

■モバイルの市場はどう変化しますか。

 モバイルパソコンの競争は続くでしょう。頑丈で、そこそこのバッテリー駆動時間が確保され、液晶ディスプレイも実用的なサイズ。それでいて小さく軽い、本当に使えるモバイルパソコンが増えてきました。ここ2、3年はそれほどマーケットが広がりませんでしたが、ネットワークも整ってきたので、一気に拡大する可能性があります。今後はモバイルを前提としたいろいろなパソコンの利用形態が登場するでしょう。

■ビジネス市場も、Vistaの登場で喚起されますか。

 企業ではアプリケーションの検証などが必要ですから、すぐにWindows Vistaに切り替えるというわけにはいかないでしょう。Windows XPが登場したときにも、1年以上かけてゆっくりと切り替わっていきました。ただ、Vistaにはセキュリティの強化という大きなメリットがあります。セキュリティは企業の最大の関心事の一つですから、十分に魅力的だと思います。