落雷によってパソコンやADSLモデムが故障する事故は、意外に起きています。ADSL業者であるイー・アクセスによれば1年間に故障で交換となるモデムのうち、約十数パーセントは落雷が原因としています。

 近所で落雷が発生すると、それによって発生した誘導電流が電力線や通信線などを通じて住宅に入ってくることがあります。住宅には通常、ブレーカーが設置されていますが、瞬間的に流れる大電流や高電圧に対応できないことがあるのです。パソコンやADSLモデムなどは少ない電力で動作するよう設計されているため、大電流によって基板やCPU、メモリーなどが壊れてしまうのです。

【落雷の電流が入ってくる経路】
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落雷の影響で誘導電流が住宅内に入ってくる経路は、電気用の電力線と電話用の通信線、さらにTVのアンテナ線などがある

 落雷の可能性があるときは、パソコンは電源コンセントを、ADSLモデムは電源コンセントと通信線を外すのが安全です。しかし、現実問題としては、なかなかそれをできないことがあるでしょう。そういう場合は、大きな電流が流れると自動的に電源をカットする機能を持つ落雷対策用のOAタップなどを使うとよいでしょう。電源コンセントだけでなく、通信用やTVアンテナに対応した製品もあります。通常、落雷による誘導電流では、電圧は十kV程度、電流は数k~数十kAといわれており、これらの製品を使えば機器を守ることができます。

 ただし、これらの機器を使っても住宅への直撃では、流れる電流や電圧が大きいため、故障を防ぐことはできません。雷によって機器が故障した場合、住宅火災保険によっては補償対象になることもあります。

【過電流防止のOAタップ】
バッファローや、エレコム、サンワサプライなどは落雷時の過電流防止機能を持つOAタップを販売している
【通信用の保護装置も】
TELの回線をタップに差し込んで利用するOAタップ。ISDN用のTAや、ADSLモデムなどを保護する
出典:日経パソコン 2006年2月27日号
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