DRAM もフラッシュメモリーも同じ半導体から作られますが、データを記録する方法が異なります。

 DRAMは、トランジスター1個とコンデンサー1個を組み合わせてデータを記録します。コンデンサーは電気(電荷)をためておく作用があります。コンデンサーに電気がたまり、電圧の高い状態が「1」、放電していて電圧の低い状態が「0」を表すのが一般的です。トランジスターはコンデンサーに対して、電気を流したり止めたりするスイッチの役割を果たしています。

 DRAMに「1」の情報を書き込むときは、トランジスターに電圧をかけてオンの状態にして、コンデンサーへ電気を流します。すると、コンデンサーに電気がたまり、電圧の高い状態になります。逆に「0」の情報を書き込むときは、コンデンサーにたまった電気を放電させます。

 DRAMはその特性上、回路をオフにしていても電気が徐々に漏れてしまいます。電気が漏れて電圧が変動してしまうと、正しい情報を読み取れなくなります。パソコンの電源をオフにするとメインメモリーのデータが消えてしまうのはこのためです。なお、電気の漏れによるデータ消失を防ぐためDRAMは動作中に数十ナノ秒(ナノは10億分の1)周期でデータを書き直しています。

 フラッシュメモリーはDRAMよりも簡素で、トランジスター1個で構成されています。ただし、通常のトランジスターではなく「浮遊ゲート」と呼ばれる特殊な素子を備えたトランジスターを使います。この浮遊ゲートが電気をためる機能を持っているのです。浮遊ゲートの外側にはトンネル酸化膜と呼ばれる絶縁体があります。トンネル酸化膜は、十数ボルトという比較的高い電圧では電気を通すものの、数ボルト以下の低い電圧では電気を通さないという性質があります。

 データを書き込むにはトランジスターに高い電圧を掛けてオンにします。すると、電気の一部がトンネル酸化膜を突き抜けて、浮遊ゲートに入り込みます。たまった電気を放電させるには、トランジスターに逆の電圧を掛けます。電気がたまっている状態が「0」、放電している状態が「1」をそれぞれ示します。

 回路がオフになっても、浮遊ゲートに蓄積されている電気はトンネル酸化膜によって守られ、外に漏れ出すことはありません。電源の供給がなくてもフラッシュメモリーの情報が消えないのはこのためです。

【DRAMとフラッシュメモリーは構造が大きく異なる】
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DRAMはトランジスター1個とコンデンサー1個で構成される。トランジスターがスイッチとなり、コンデンサーに電気がたまっているか否かで1、0を表す。フラッシュメモリーは、浮遊ゲートと呼ばれる素子を備えた特殊なトランジスターで構成される。高い電圧をかけると、浮遊ゲートに電気がたまり1、0を表すことができる
出典:日経パソコン 2006年2月13日号
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