DRAMを搭載するPCパーツはメモリーモジュールだけではない。ビデオボード上にも搭載されている(図1)。今回は、高速化のために特殊な構造を持ったビデオメモリーについて解説する。

入力周波数を上げるために
レイテンシーも増やす

 ビデオメモリーは、随時更新される画面表示といったリアルタイム処理に対応しなければならず、メインメモリーよりも高速なレスポンスが要求される。過去を振り返ると、メインメモリーの主流がEDO(Enhanced Data Out)DRAMだった時代は、メインメモリーに要求される「tAC」(アドレス確定からデータ出力確定までの時間)が60ナノ秒だった。だが、ビデオメモリーは30ナノ秒が要求されていた。

 その後、EDOからSDRAMへとメモリーの主流が移行するのに合わせて、ビデオメモリー向けに特化したSGRAMが登場した。SGRAMは基本的にはSDRAMと同じ同期式インターフェースを備えるが、ビデオ処理に特化したコマンド(SMRS、スペシャル・モード・レジスターセット・コマンド)を用意していた。メインメモリーが高速化しても、やはりビデオメモリーはそれ以上の高速性が要求され、PC133の時代のSGRAMはPC166相当だった。さらにDDR SDRAMが主流になると、SGRAMの機能を継承してDDRと互換性のあるGDDR DRAMが登場する。以下ではGDDRをベースに解説を進める。

 表1にGDDRとDDRの違いをまとめた。GDDRは、通常のDDRよりも高速動作できるように改良し、動画再生や刻々と変化する画面情報の更新などを考慮した連続アクセス(バーストアクセス)に向いた特徴を備えたDRAMだ。

 まず高速動作の点から見てみよう。例えば、CASレイテンシー(CL)が3クロックのDDR400を基本にして、GDDR533を選別する場合は次のようになる。DDR400 DRAMの内部速度は200MHzで、インターフェースを高速にしても内部の応答(セルの応答速度)は、インターフェースに影響されないため変わらない。一度の処理を一気に終わらせる、つまり1コマンド当たりの時間を短縮するには、入力周波数を上げるのが早道だ。

 そこで、高い周波数を実現するために内部のセルの応答速度に合ったCL長を使うことになる。DDR400は1クロック当たりの時間が5ナノ秒なのでCLが3クロックであればCLの実時間は15ナノ秒だ。これをGDDR533に当てはめると、1クロック当たりの時間は3.75ナノ秒になるがCLの実時間は15ナノ秒で変わらないので、CLは4クロックとなる。こうしてGDDRはメインメモリーでは採用されないようなCL長を使うことで高い入力周波数を実現する。

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