「キレイ! だけど遅い!」---。カラー・レーザープリンターというと、最初に出力してみたときの驚きを思い出す。今ではオフィスの普通の光景となったこの機器も、初めて出会った時には「まさかレーザープリンターでカラーが印刷できるなんて!」と思ったものだ。と同時に、ちょっと、いやかなり待たされるところにも驚いた。

 こうした驚きはまだ昨日のことのように鮮明だが、一般オフィスにカラーレーザーの導入が本格的に始まってから、すでに約10年も経つ。

 ハイテク業界の10年前といえば大昔だ。この間に、カラーレーザーの世界でも、きっととんでもない進歩があったに違いない。

図1 2000年のカラー・レーザーと2006年の最新機種を並べて比較。参考までに1998年の機種からそろえてテストした

 きっと、速くなった、きれいになったといった進歩があることは想像できる。でも、それが一体どのくらいなのか、主にどの部分で進歩したのか、実際のところをテストしてみようと、新旧機種で比較してみることにした(図1)。

6年前と比べて、どれだけ速い?

 今回のテストで比較してみたのは、“古株”の代表として6年前の2000年の機種であるセイコーエプソンの「LP-8300C」(以下、8300C)と、最新鋭として2006年1月発売の「LP-S7000」(以下、S7000)の2機種。いずれも発売時点では、一般的なオフィス向けの同社製カラーレーザーとしては最速機種である。

 いざ2台を並べてみると、8300Cのいかにも事務機器といった外見と色味に比べ、S7000は洒脱な雰囲気を漂わせるが、専有面積や容積はほとんど変わらない。

 大きく変わった点は速度である。印刷の命は速度だ、と断言してしまいたいほどにS7000は速い。これはおそらく、新旧2台のレーザープリンターを並べてテストしてみなければ実感できない違いである。

 そこで、実際に印刷を行って、両機種のプリント風景を映像に記録してみることにした。参考までにLP-8300C以前の機種も同時に測定しようとしたため、ところ狭しとLANケーブルが引き回されている。余談だが、一般的な会議室をテストルームに利用したため、「同時に電源を入れておけるのは2台まで」という制限が付いた。ブレーカーが落ちてしまうため。最近の機種と比べれば以前の機種は消費電力も大きいのが原因だ。通常の利用なら狭いスペースで何台もカラーレーザーを稼働させることは少ないから問題はない。

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図2 印刷したのはA4用紙1枚分のPowerPointのデータ。これを20部印刷する場合の所要時間を計測した。

 印刷サンプルは、PowerPointで作成したA4用紙1枚分のプレゼンテーション・シート。これを印刷の設定で10枚印刷するようにした(図2)。これは、1人につき1枚の資料を10人分用意するという状況を想定した。その所要時間を測定し、新旧機種を比較しよう。

10枚分の印刷では比較にさえならない…

 まずはリハーサルを兼ねて、S7000で10枚分を印刷してみる。スタッフは、カメラマン、パソコン操作係、ストップウォッチ係の計3人。パソコン操作係の印刷実行を合図に、ストップウォッチで計測開始。シーンとした気配が室内に漂う。プリンターが動き出すまでにはほんの少しだが、タイムラグがあるのだ。

 待つこと20秒。最初の1枚が出てきた。出力が始まれば、あれよあれよという勢いで紙が出てくる。
 「はっ、速いっ」
 印刷開始から40秒後には10枚の用紙が出力された。以前のカラー・レーザープリンターに持っていた印象に、さらに性能は上がっているだろうと予測していた分を加味しても、それを上回る速さだというのが率直な感想。

 もしかすると、“遅い”という印象も不必要に強調されてしまって残っているのかもしれない。そこで、6年前の機種である8300Cでも同じく10枚分をプリントしてみた。

 S7000と同じ手順で印刷を開始する。40秒経過。
 「……」
 まだ何も出てこない。8300Cはまだヴゥーンと音を立ててウォーミングアップをしている。1枚目が排出されたのは44秒後だ。S7000ならとっくに10枚を印刷し終わっている。これは勝負にならない。2台を並べて比較しようにも“どのくらい違うのか”が分からない。

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