検索は、あなたの生活を大きく変えるほどの可能性を秘めている。そんな大げさな、と思うなかれ。知らないうちに、検索技術は目覚ましい進化を遂げている。「こんなものまで検索できるの!?」と声に出して驚いてしまいそうな新技術が、続々登場しているのだ。

 検索は現在、世界中の大学や企業から熱い視線を浴びている研究テーマだ。2005年に日本で開催された、検索エンジンの出来映えを競う国際コンテスト「NTCIR」の参加状況からも、その盛り上がりがよく分かる。第1 回のコンテストが開催された1998年の参加者は6カ国28グループだったのに対し、2005年には15カ国から102グループが参加した。今も世界のどこかで、新しい技術が生まれようとしている。

 研究者の間で大きなテーマとなっているのは「単にデータを検索するだけでなく、人間にとって活用しやすい形で提供する」(NTCIRの主催者でもある、国立情報学研究所ソフトウェア研究系ソフトウェア工学研究部門の神門典子教授)ことだという。人間が知りたいところだけをズバリ抽出してくれる技術をはじめ、さまざまな技術が生まれている。

 文字だけでなく、音楽や画像に関する検索技術も関心の高いテーマ。鼻歌を歌って曲のタイトルを探したり、街角で見かけた花の写真を撮って花の名前を調べる、といった世界が現実のものになりつつある。

「モーニング娘。」って今何人?──答えだけをズバリ表示

 「モーニング娘。の人数って?」「東京タワーって何メートルだっけ?」「サッカーのW 杯の開催地は?」。一意に決まる答えそのものを知りたいこんな場面では、現在の検索技術は必ずしも便利ではない。まず関連しそうなページを検索し、その中から該当する答えを自分の目で探す。膨大なページが検索されたり、各ページの文字量が多かったりすると、答えを見つけ出すのに大変な手間がかかる。

 そこで期待がかかるのが、「質問応答」と呼ばれる技術(下図)。ユーザーが求める答えそのものを、ズバリと提示してくれる。

【一般的な質問応答技術の仕組み】

 ユーザーが質問文を入力すると、まずどんな情報を探しているかを特定する。手がかりになるのが「どこ」「誰」などの言葉だ。次に、インターネット上のWebページなど大量の文書情報の中から、関連しそうなものを検索する。そしてそこから、答えとなりそうな部分を抜き出す。例えば、場所を問う質問ならば場所を示す言葉を取り出す。ただ、これだけでは、場所を示す言葉はすべて答えになってしまう。そこで、元の質問文との類似度の高さなどから、答えとして適切なものを判断する。

 もちろん、完全な回答を返せるシステムはまだ存在しない。しかし多くの研究者が日々研究開発に取り組んでおり、精度は着実に向上している。今後が楽しみな技術であることは間違いない(下図)。

【質問に対してズバリお答え】
横浜国立大学大学院の森辰則教授の研究室が開発した質問応答システム

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