複数の書き込み型規格があるDVDディスクのうち、直射日光による影響を直接受けるのは、D V D - R とDVD+R(片面2層タイプも含む)です。これらのディスクは、記録面に有機色素を用いた素材が使われているためです。有機色素が日光に含まれる紫外線を吸収し、その強さによっては化学変化を起こして変質します。変質したディスクは、データが記録できなくなったり、読み取れなくなってしまいます。

 ディスクメーカーによると、例えば真夏の晴天時に車のダッシュボードにディスクを放置しておくと、「2時間程度でディスクが使用不可となることもある」(TDK)そうです。

 一方、DVD-RW、DVD+RWなど書き換え可能なディスクでは、記録面が金属素材であるため、紫外線による影響はほとんどありません。

【紫外線はDVD±Rの天敵】
DVD-R/+Rは、記録膜に有機色素を使っているため、紫外線の影響を直接受ける。書き換え型ディスクは、紫外線の影響はほとんどない


 日光に含まれる成分のうち、DVDディスクにダメージを与えるのは主に紫外線ですから、直射日光でなくとも、紫外線の影響下にディスクの記録面をさらすのは良くありません。「ディスクが浴びた紫外線の蓄積量によって、受けるダメージが決まる」(TDK)のです。一度受けた紫外線によるダメージは元に戻すことができません。真夏の直射日光のように、非常に強力な紫外線でなくとも、長時間継続して紫外線を受けると、ディスクが変質する可能性があります。

 編集部の過去の実験では、記録面を上にした状態で窓際にディスクを放置すると、使用後5カ月で、変色してデータが再生できなくなったDVD-Rもありました。

 DVDディスクに悪影響を与えるのは、紫外線だけではありません。ディスクの基板はプラスチック製のため、熱によって変形する可能性があります。紫外線の影響を受けにくい書き換え型ディスクであっても、直射日光は避けたいところです。

 急激な温度変化や多湿な環境も大敵です。多湿環境では、ディスクにカビが発生して腐食することもあります。急激な温度変化にさらされると、変形や結露の原因となります。当然ながら、ディスクを落としたり、傷や指紋、ホコリも厳禁です。こちらもカビや腐食の原因になります。

 こうした点から、DVDディスクをなるべく劣化させないように保管するには、下に挙げたポイントに留意することをお勧めします。

【DVDディスク保管の理想条件】


 特に紫外線からディスクを守りたいのであれば、TDKの「超硬」シリーズや、日立マクセルの「HG(ハイグレード)」シリーズのような、紫外線対策を施して耐久性を強めたディスクを使う手もあります。

【紫外線対策を施したディスク】
TDKの「超硬」シリーズ(上)、日立マクセルの「HG」シリーズ(下)など、素材の工夫で紫外線への耐性を強めたディスクもある


出典:日経パソコン 2005年5月9日号
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