まず、Windowsの起動が遅くなる理由です。ウイルス対策ソフトは、優先的に起動されるように作られています。ほかのプログラムの起動時に、そのプログラムがウイルスに感染していないかを調べるためです。パソコンにもよりますが、起動時には、数千を超えるファイルをチェックします。これが重さを感じさせているのです。

 操作がもたつくのは、ウイルス対策ソフトが、ファイルの動きを監視するため常に立ち上がっている、「常駐プログラム」であるせいです。ウイルス対策ソフトは、ものによっては数十MBのメモリーを占有します。ほかのアプリケーションに比べると、占有量は多いのです。メモリーがいっぱいになると、動作は遅くなります。ウイルス対策ソフトメーカーは、不要な常駐プログラムをはずしたり、メモリーを増設することを勧めています。

 もうひとつ、最近では、ウイルスのチェックだけでなく、ファイアウオールやスパムメールのフィルタリングの機能を併せ持つ、セキュリティ全般に対策した製品も増えています。こういうものでは、ウイルスのチェックのほか、Webサイトの表示や、メールのやり取りも監視します。作業が増えている分、パソコンの動作は遅くなります。

 劇的に有効な「重さ」対策は、残念ながらありません。しかし、対策ソフトを新版に変えるのはひとつの手です。ソフトを新しくすると動作が重くなると考えがちですが、ウイルスの検索エンジンやチェックの仕組みも変わっているので、軽くなることもあるのです。また、重さは、セキュリティ対策ソフトによって異なります。

 ウイルス対策ソフトの評価を継続的に行っている「VirusBulletin」によると、ウイルスのチェックが速いソフトに「NOD32アンチウイルス」(キヤノンシステムソリューションズ)があります。ファイアウオールの機能は付属しませんが、評価版も用意されているので、現在使っているソフトに不満があるなら、試してみてはどうでしょうか。

【セキュリティ対策ソフトは一挙手一投足を監視している】

圧縮したフォルダー(合計3MB以下)をメールに添付して送る場合の、ウイルスのチェック方法(トレンドマイクロの場合)

出典:日経パソコン 2004年6月21日号
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