2足歩行ロボットの格闘競技大会「ROBO-ONE」の第11回大会が2007年3月24~25日、東京・文京区の後楽園ホールで開催された。全国から集まったロボットは174台。昨年まで同時期に開催されていた軽量ロボット向け大会と統合したこともあり、参加台数は過去最大となった。予選では、ロボットが縄跳びをするなど、まるで人間のような高い運動能力を披露。決勝の格闘トーナメントでは、ボクシングやプロレスなど格闘技の聖地として知られる後楽園ホールにふさわしい激しい戦いが繰り広げられた。

 第1日目の予選では、各ロボットがそれぞれの能力をデモした。制限時間は2分。審査員が点数を付けて、上位の27チームが2日目の決勝トーナメントに進む。規定演技は「縄跳び」「人の役に立つことをする」。高い点数を獲得するには、この2つの動作をデモの中に盛り込む必要がある。

 「縄跳び」は2006年9月に開催された第10回大会の「ジャンプをする」という規定演技をさらに難しくしたもの。足のサーボモーターに力とスピードが必要なだけでなく、ロープをタイミングよく動かして足の下にくぐらせなくてはならない。跳躍力が足りなければ、ロープを足に引っ掛けて転倒してしまう。

 観客を驚かせたのは、人間でも難しい3重跳びを成功させた「キングカイザー(マルファミリー 作成)」。高くジャンプすると同時に、ロープの付いた棒をモーターで高速に回転させた。ロープの速度があまりにも高速で、肉眼では回転がよく見えないほどだった。

 まるで人間のような自然な縄跳びの動作を見せたのは「マジンガア(光子力研九所 作成)」。ほとんどのロボットは肩の軸を回転させることでロープを回していたが、マジンガアの場合は人間と同じように腕のスナップだけをきかせてロープを回した。連続で5回の跳躍に成功。「これが本物の縄跳びです」と説明する通りの滑らかな動きだった。

 ほかにも肩を回転させる方法ながら10回連続の縄跳びを成功させた「OmniZero.4(前田武志氏 作成)」や片足縄跳びを見せた「ヨコヅナグレート不知火二代目(Dr.GIY氏 作成)」も目を引いた。

災害地や医療現場で活躍するロボットたち

 「人の役に立つことをする」という規定演技で、多く見られたのは家事を手伝う動作だった。最も多かったのは「ぞうきんがけ」。うつぶせの状態となり、足を動かして前に進む。このほかにも、窓を拭く、ゴミを集める、赤ちゃんの世話をする、フライパンで料理をする、食品を包丁で切るといったさまざまなアイデアが飛び出した。

 地雷や時限爆弾を処理する、消火器で火を消す、ロボットが泥棒と戦って家を守るなど、ロボットが人間の代わりに危険な作業をするというアイデアも見られた。健康や医療への活用方法では、「Neutrino RX(飛騨神岡高校 作成)」が目薬をさす、指のつめを切るといった患者を支援する動作を紹介した。「ダイナマイザー(スギウラファミリー)」はスポーツクラブのインストラクターとしてロボットを使うアイデアを披露。ロボットの動きにあわせて運動をすると、終了後に、消費カロリー値を音声で伝える。

 予選1位通過は、縄跳びのほかにも、はしごをよじ登るという斬新な動きを見せた「OmniZero.4」。2位と3位は縄跳びで目を引いた「マジンガア」「キングカイザー」となった。

 後編では決勝トーナメントの様子をお伝えする。

リングの端に立てかけたはしごを登る「OmniZero.4」
3重跳びを成功させた「キングカイザー」。肉眼ではロープの動きが速すぎて見えない
5回の連続縄跳びを見せた「マジンガア」。人間のように腕のスナップを使ってロープを回す