「なぜインターネットがこんなにも人気を呼び、急激に普及したのか---それは人間の基本的な欲求である“自己表現”を触発するものだったからだ」。米グーグルで業務開発兼国際営業担当上級副社長を務めるオミッド・コーデスタニ氏(写真1)は、2006年9月8日「2006東京国際デジタル会議」で「Googleの考える『グローバル企業』の意味」と題して、インターネットの現状や同社の戦略などを語った。

 同氏によれば、「Eコマース、広告、サービスなどのあり方が昔とは変わってきており、現在の“あり方”はユーザー主導で作られている」という。「昔は大会社が何年もかかって大規模なソフトウエアを開発し、ユーザーに提供していたが、今はその状況がひっくり返った(写真2)。インターネット上でユーザーが主導権を持って、ソフトウエアやコンテンツをコントロールしている。そのいい例がSNSだ。ティーンエイジャーはSNSなどを新しい自己表現の場所として積極的に使っている」(同氏)。

 一方で、インターネットが普及した結果、「Partial Attentions」つまり「ユーザーが“1つの物事に集中して注意を払う”ことをしない」という問題が出てきているという。「今日、ここに来るまでにどのくらいの広告を目にしましたか? たくさんの広告を見ても、覚えているものは少ない。ユーザーにとって価値ある情報でないとなかなか目を留めてもらえない時代になっている」(同氏)。広告、サービスなどに関して、より各ユーザーにターゲット化したものを提供する必要があるとの見方を示した。

 今後のインターネットの利用に関しては、「携帯電話などのモバイルが“いま、すぐ”必要な情報にアクセスしたいというという欲求を満たすもの」(同氏)として、ますます重要性を増すだろうという。インド、中国など、パソコンよりもモバイルからのアクセスの割合が高い国もある。さらに、現在インターネットを使っているユーザーは約10億人だが、グーグルでは「『まだ』10億人という認識。次の10億人にどう展開するかが大切」(同氏)として、インターネット接続環境が発達していない地域への展開が重要であると述べた。グーグルでは、2004年の第1四半期には米国での収入が69%、その他の国々からの収入が31%だったが、2006年第2四半期にはこれが58%と42%になっている(写真3)。今後、サービスのローカル化を進め、各国に営業だけでなくイノベーションの拠点を設けていくという。