アステル東京ブランドでPHS事業を運営するYOZANは2月10日,高速無線通信規格「WiMAX」を利用した定額携帯電話サービスを発表した。2005年末にも,音声通話とデータ通信を月額3000円程度で使い放題にするサービスを開始したい意向だ。当初は東京都23区内で開始し,順次エリアを首都圏に拡大していく。これに先駆け6月から23区の一部でフィールド・テストを実施する方針である。

 YOZANは2003年に設立した子会社「YOZAN IP ネットワークス」を通じて,アステル東京のPHS網や無線LANを利用した定額制の無線データ通信サービスを開発していた。だが屋外をカバーするのに必要な基地局数が膨大になることから,コスト面で折り合わず商用化を見送った経緯がある。

 今回YOZANが採用したWiMAXは,1台の基地局で半径数キロメートルをカバーし,データ通信速度が最大75Mビット/秒の無線規格。IEEE(米国電気電子技術者協会)が固定の加入者系無線アクセス(FWA)向けに「IEEE 802.16-2004」という方式名で規格化した。YOZANは同方式に対応した英エアースパンネットワークスのWiMAX基地局を導入し,5GHz帯付近の電波を使ってテストを実施する。具体的な周波数帯域などについては,今後の電波政策の動向をふまえて決定する。

 また商用化に当たって現行のPHS基地局をWiMAX基地局に交換するとともに,バックボーン・ネットワークをPHSで利用していたNTTのISDNから光ファイバに移行させる計画。現在のPHSサービスは2006年上期をめどにWiMAX方式によるサービスに移行させ,PHSユーザーにはWiMAX対応のIP電話機を無償で提供する。さらに,通信機器の運用保守会社ベルネットと提携して9月から加入者の申し込み受付を始める方針である。

(高槻 芳=日経コミュニケーション