DDIポケットは12月21日,バックボーン・ネットワークをIP化する計画を明らかにした。狙いは,データ通信サービスの高速化や,ある一定の相手との通話を定額または安価にする“モバイルIP電話”といった新しいサービスを提供できる環境を整えることだ。

 DDIポケットの網は,基地局とNTT局舎をつなぐ網(アクセス網)と,NTT局間およびDDIポケットのセンターを結ぶ網(コア網)に分かれる。NTT局は基地局の回線をまとめて収容する役目を担っている。このうちコア網のIP化は既に開始しており,2005年3月までに東京都内と神奈川県の一部で完了する。2006年3月までには,東京都周辺の県と全国の政令指定都市もIP化が完了する見込みだ。これまではアクセス網,コア網ともに東西NTTからISDNを借りてネットワークを構築していた。

 コア網のIP化には,ITX(IP transit exchange)という装置を利用する(写真)。NTT局にITXを設置し,基地局からのISDN回線を収容する。ITXは基地局から送られてきた音声をVoIP化し,音声パケット,データ・パケットともにIP網で構築したコア網に流す。これまではNTTの交換機がトラフィックを振り分け,データ・パケットだけをIP網に流す仕組みだった。つまりITXを導入が進むと,PHSユーザー同士が通話する際,NTT局間はIP電話サービスとほぼ同じ仕組みで動くことになる。

 さらにISDNで構築しているアクセス網を,光ファイバに変更する計画もある。これはデータ通信のさらなる高速化が背景にある。同社は,2006年3月までに最大384kビット/秒,2007年3月までに最大768kビット/秒のサービスを投入するロードマップを描いている。「1Mビット/秒に近いサービスを提供するには光化は必須。1~2年中には取りかかることになるだろう」(近義起プロダクト統括本部長兼技術本部長執行役員)。

 こうした基地局の更改やITXの導入を含めネットワークの更新に対し,今後5年間で750億円の設備投資を行う計画である。

(白井 良=日経コミュニケーション