被害を間近に見たユーザーにはInternet Explorerに対する拒否反応が起きる。セキュリティ専門家もInternet Explorer以外の選択肢の必要性を指摘した。2004年6月には,米国のセキュリティ対応機関CERT/CCが,Internet Explorerのセキュリティ・ホールへの対策の一つとしてInternet Explorer以外のWebブラウザの使用を推奨したことが話題になった。

 Refsnes Dataによれば,2001年3月に88%を占めたInternet Explorerはのシェアは,2004年11月に74%に低下した。NetscapeとMozillaを合わせたシェアは2001年3月で7.6%だったが,2004年11月には20.3%になっている。

 そして2004年11月9日,Mozilla FoundationはFirefoxをリリースする(関連記事)。肥大化したNetscape Navigatorの反省として,Webブラウザ機能を切り出した軽量のソフトウエアだ。Mozillaの次世代プロジェクトとして開発されてきたFirefoxは,Internet Explorer以外の選択肢を探すユーザーに注目された。11月9日の正式リリースから15日までの間に,Firefoxは約367万回ダウンロードされたという。

数千人のボランティア開発者

 セキュリティ対策に追われたInternet Explorerの機能改良が滞った間に,Firefox/Mozillaにはタブ・ブラウザ機能やRSS[用語解説]機能などの新機能が搭載された。機能面でFirefoxが先行したわけだが,Firefoxはこのリードを守ることができるだろうか。

 Mozilla Foundationはわずか数十人。片やMicrosoftは数万人の組織である。資金面でも同様に2~3桁のスケールの違いがある。アリと巨人である。多くのOSに対応しなければならないという“宿命”も依然としてある。

 だがMozilla Foundationの技術部門のディレクタであるChris Hofmann氏は,開発陣の陣容について「Mozilla Foundationのほか,IBM,Sun,Red Hatなどから約50名がフルタイムで開発に参加しており,さらに数千名のボランティアがいる」と自信を見せる(関連記事)。

 Mozillaのモジュールの主要な開発者のリストを見ると,Mozilla以外の多くの組織から開発者が参加していることが分かる。かつて混乱を見せたプロジェクトは,時間の経過とともに多くの参加者の習熟を得て,アクティブなオープンソース・コミュニティとして機能するようになっていたのである。