「日本マイクロフトも前例が少ない4TB規模のOracle DBをAzureに移行した。3段階に分けてデータを移した結果、ほぼ無停止でユーザーに影響を与えずに済んだ」――。ベネッセコーポレーション 東京本部 デジタル開発部シニアアーキテクトの植田省司氏は同社のAzure利用をこう振り返る。

 ベネッセは「進研ゼミ 小学講座」のデジタル学習サービスのインフラにAzureを採用した。オンプレミス環境で稼働していたOracle DBを、リレーショナルデータベースサービスのAzure SQL Databaseに移した。2018年12月にAzureへの移行を完了し、2019年2月末にオンプレミス環境に設置していた同システム向けのハードウエアを撤廃。これにより「月額のランニングコストを7分の1に減らせた」(植田氏)という。

 Azure移行の対象となったのはタブレット学習サービスの「チャレンジタッチ」だ。2018年4月における進研ゼミ小学講座の会員120万人中、約4割がチャレンジタッチを使う。従来はオンプレミス環境のプライベートクラウドでWebサーバー12台に加え、アプリケーションサーバー12台、キャッシュサーバー5台、バッチサーバー1台、データベースサーバー6台で稼働していた(図1)。

図1 4TB規模のDBをOracleからSQL Databaseに移行
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 データベースはOracle DB Enterprise Edition(EE)で、クラスタリング技術の「Oracle Real Application Clusters(RAC)」を使い、6台構成のクラスターを組んでいた。「データベースのサイズは4TBで、レコード数は156億レコード」(植田氏)という巨大なシステムだ。

 チャレンジタッチは2014年度に提供を始めたが、当時はシステム開発期間が限られていた。顧客が使う重要なシステムながら、性能設計をするのに十分な時間が取れなかった。「かなり余裕のある構成にせざるを得なかった」と植田氏は語る。

 2017年、サーバーのサポート終了が迫るなかで、コスト見直しの機運が高まった。植田氏は「ベンチマークはしていないが、他社事例と比較したところ必要な性能に対し1桁多いコストをかけていた」と話す。

 数年おきにやってくるハードウエア更新からの脱却も課題だった。システムやインフラの運用負荷を軽減したいという狙いもあった。Azureを使い適切な構成を見直した結果、Web/アプリケーションサーバーは仮想マシン6台に減り、データベースサーバーは2台のSQL Databaseで済んだ。ランニングコスト削減に加え、「ハードウエア更新の負担や、システムやインフラの運用負荷も減らせた」と植田氏は効果を挙げる。

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