次世代のシステム基盤として注目を集めるコンテナ。本格的にコンテナを導入した現場はまだ少ない中で、試行錯誤を重ねながら活用を進める企業の一つがグリーだ。

 同社はオンプレミス(自社所有)環境にあった約1万台の仮想サーバーのうち、4000台をAWSに移行済み。ゲーム事業の移行で培ったノウハウを生かし、メディア事業のアプリケーション実行基盤にAWSのコンテナサービスを活用する(図1)。

図1 メディア事業のアプリケーション実行基盤にコンテナ活用
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 グリーは将来の複数メディア連携を見据え、アプリケーションのマイクロサービス化を推進している。マイクロサービスでは、アプリを独立性の高いサービス単位に切り分ける。コンテナはその実行基盤として使う。

 メディア事業の一つであるアリネ事業部 ARINE事業グループ プロダクトチームの平田尚史氏は「顧客ID管理などをマイクロサービス化してAPI経由で呼び出せるようにすれば、複数のメディアで同じ機能を共有しやすくなる」と語る。

 ARINEはヘアスタイルやファッションなど美容に関する情報メディアだ。当初はEC2でアプリを動かしていたが、複数メディアとの連携を見越したアプリのマイクロサービス化に向けて、実行基盤をAWSのコンテナサービスAmazon ECS(Elastic Container Service)に切り換えた。

 一方、旅行や観光、グルメ情報を提供するメディアのaumo(アウモ)は従来、EC2を使ってコンテナオーケストレーターのKubernetesを含むコンテナ基盤を構築していた。コンテナオーケストレーターは多数のコンテナを管理して起動、削除、監視などを実行する。

 Kubernetesはコンテナオーケストレーターのデファクトスタンダードだ。コンテナで動くアプリの運用負荷を軽減する機能が豊富だが、「設定などが複雑でECSより学習コストが高い」(開発本部 インフラストラクチャ部 シニアエンジニアの松澤裕氏)。

 aumoはKubernetes導入後、ほどなくシステム担当者が代わったことからノウハウ継承が難しかった。「ノウハウ不足が原因で細かな不具合が発生し、見過ごせない事態に陥った」(松澤氏)ため、ECSに移行して不具合を解消した。

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