「とにかく絶対落ちないシステムを作りたかった」――。星野リゾート グループ情報システムの久本英司ユニットディレクターはAWS活用に至った理由をこう語る。

 国内35、海外2拠点のホテルや旅館を運営する星野リゾートは事業の急拡大に伴い、宿泊予約システムをAWSに移行した(図1)。

図1 安定運用を目的に宿泊予約システムなどをAWSに移行
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 主な目的は運用負荷の軽減だ。従来はオンプレミス(自社所有)環境で運用していたが「夜中の2時に急にシステムが停止するなど、知らない間に止まっていることが多かった。メモリー不足など何が理由か分析するにも、ログを収集する仕組みも無かった」とグループ情報システムの藤井崇介氏は振り返る。

 テレビ露出などによる急なアクセス増に対応できない問題もあった。「テレビ番組で紹介されて宿泊予約システムへのアクセスが少し増えただけで、しょっちゅうシステムが止まっていた」と久本氏は打ち明ける。

 開発や改修に時間がかかるのも悩みの種だった。「全ての機能がモノリシック(一枚岩)なシステムになっており、機能変更したいときにすぐ対処できなかった」(インフラ構築を支援したCaluaEdgeの野崎敏彦氏)。

 AWSの活用は安定運用につながり、ログ収集の仕組みも構築できた。テレビ露出時はリレーショナルデータベースのAmazon Auroraのリードレプリカを使い、高負荷でも処理を分散してさばけるようにした。

 アプリケーションを小さい単位に分割して独立性を高める「マイクロサービスアーキテクチャー」を部分的に導入し、機能変更しやすいシステム作りにも挑む。サーバーレスコード実行サービスのAWS Lambdaを介し、AWSとほかのクラウドサービスを連携した活用も推進するなど、短期開発しやすい環境構築に取り組む。

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