中国ハイアールの日本子会社アクア。日本のコインランドリー市場で約75%のトップシェアを持つ。

 同社はAzureを使い、コインランドリー向け洗濯機や乾燥機のIoT(Internet of Things)基盤を構築。2017年12月に「Cloud IoTランドリーシステム」として、全国のコインランドリーに展開した(図1)。

図1 Azureを使いランドリー機器をIoT化
[画像のクリックで拡大表示]

 ユーザーはスマートフォンやPCのアプリケーションを使い、洗濯機や乾燥機の空き状況を確認したり、終了時間の通知を受けたりできる。

 オーナーや管理者は、PCやスマホの管理画面を使って、稼働率の確認、洗濯メニューの設定、価格設定の一括管理などが可能だ。

 店舗に設置したマルチ端末は、コインランドリーで使用できるICカードの発行やチャージ、サービスクーポンの発行などの機能を持つ。

 アクアはCloud IoTランドリーシステムの前身として、2005年に「ITランドリーシステム」の提供を開始。ネットワーク経由で洗濯機や乾燥機の稼働状況を可視化し、管理できるサービスを提供してきた。対応する洗濯機や乾燥機の稼働台数は、2016年時点で2万台まで伸びた。

 アクアがコインランドリーのIoT化に取り組み始めたのは2015年のこと(図2)。

図2 Azure利用の主な経緯
[画像のクリックで拡大表示]

 ITランドリーシステムは、オンプレミス(自社所有)環境で構築していた。稼働台数が増えるにつれ、データの蓄積が課題となった。アクア マーケティング本部 コマーシャルランドリー 企画グループ ディレクターの秋馬誠氏は「蓄積するデータ量が増えたため、運用上3年間で期限を区切り、それ以前のデータは捨てていた」と語る。

 秋馬氏はクラウド化により、データ廃棄の課題を解消しようと考えた。「クラウド化で全てのデータを蓄積しやすくすれば、これまで以上に深いデータ分析ができる」(同氏)。

 クラウドの各種サービスを活用した、新たな付加価値の提供も視野に入れた。秋馬氏は「単にクラウド化するだけでなく、APIを介した異業種との連携や、機械学習を使った機器の予兆保全など、新たな価値を提供したい」と話す。

 同社は3段階に分けて、IoT活用を推進する計画を持つ。第1段階が、2017年12月に提供開始したIoTプラットフォームの構築と、マルチ端末による機器刷新だ。

 第2段階ではスマホアプリや電子マネーによるキャッシュレス決済に対応させる。異業種のポイントサービスとの共通化も検討する。

 第3段階では、利用実績や洗濯機の稼働状況などの大量データを基に混雑状況を予想するなど、データやネットにつながった機器を活用した各種の新サービスを検討していく。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら