「土地勘のない外国人観光客でも、チャットボットの活用で行きたい場所や知りたい情報を検索できるようにしたい」。ナビタイムジャパンの毛塚大輔 トラベル事業部 部長は、観光ガイドアプリ「NAVITIME Travel」でのチャットボット開発の狙いをこう語る。

 ナビゲーションサービスを手掛けるナビタイムジャパンは2017年11月、日本語・英語・中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に対応した観光情報ガイドのスマートフォンアプリ「NAVITIME Travel」の全国版を提供開始した。

 同アプリは、日本全国を旅行する日本人・外国人の観光客に対し、お薦めの観光スポットやレストランなどの関連記事を配信するもの。旅行プランの作成や、宿泊先や航空券の予約といった機能も備える。

 Azureの認知AI(人工知能)サービス「Microsoft Cognitive Services」を使い、テキストベースのチャットボットによる観光スポットや観光関連記事の検索機能を実装。画像認識AIによる画像検索機能も用意する(図1)。

図1 AIによるチャットボットや画像検索で旅行情報を提供
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 自然言語解析機能には、Cognitive Servicesの一つ「LUIS(Language Understanding)」を採用した。

 LUISは入力されたテキストから、内容の意図やキーワードを抽出する。チャットボットの機能は、チャット機能のフレームワーク「Microsoft Bot Framework」を使う。

 画像検索機能は画像検索AIの「Bing Image Search」と、画像判定の機械学習モデルをカスタマイズできる「Custom Vision Service」を組み合わせて実現した。

 NAVITIME Travelでチャットボットによる検索機能を初めて組み込んだのは、2017年2月に提供開始した鎌倉版だ(図2)。

図2 Azure利用の主な経緯
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 鎌倉版で始めたのは「当時は用意していた外国語の観光関連記事が少なかったから」。現実的な地域を考慮し、鎌倉を選んだ。

 チャットボットによる検索機能実装の狙いを、毛塚部長は次のように語る。「土地勘のない外国人観光客にとって、観光名所や特定の飲食店名での検索は難しい。チャットによる自然な会話を通じた検索が向いている」。

 ナビタイムは、カーナビアプリの日本語での音声操作用に、独自の自然文解釈エンジンをオンプレミス(自社所有)環境で構築していた。

 クラウドサービスを活用した理由について、ナビタイムジャパンの開発担当者は「英語の能力を持つ社員がいなくても、英語の自然言語処理ができるから」と説明する。

 認知AIの選定過程では、Azure以外のサービスも検討した。精度の高い機械学習モデルを作るには、1日に何十回も学習を試す必要がある。「Azureのサービスでは機械学習モデルの作成段階でコストが掛からない。エンジニアが試行錯誤しやすかった」(同担当者)。これがAzureを選定した理由の一つになった。

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