全国1800以上の店舗を抱え、レンタルビデオや中古品販売などを手掛けるゲオホールディングス(HD)。同社は数年前から全社的なデータ利活用を推進中だ。

 2016年6月にはAzureのデータウエアハウス(DWH)サービスである「Azure SQL Data Warehouse」を核に、データ分析基盤のクラウド移行に着手した。

 AWSに移行済みだった基幹システムや、BI(Business Intelligence)システムと連携するマルチクラウド環境を構築(図1)。オンプレミス(自社所有)環境に比べ、年間約2000万円のコスト削減を実現した。

図1 Exadataの保守切れを契機にデータ活用基盤をクラウド化
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 ゲオHD 分析部 データ課 データマネジメント ITアーキテクトの吉村公胤氏は、データ利活用の狙いをこう語る。「有名なゲームソフトの場合、発売日の売り上げは通常の数倍に跳ね上がる。在庫調達は本部の商品購買部門が担っており、必要な在庫数の精度を高めることは利益の最大化に直結する」。

 店舗のPOS(Point Of Sales)システムなどのデータを合わせると「総データ量は16TBを超える」(吉村氏)という。ユーザー数は約3000人で、「商品購買部門のほか、店舗の人件費抑制や地域マネージャーが予算達成の戦略立案などで使う」(同氏)。

 2011年には米Oracleのデータベース(DB)サーバー専用機「Oracle Exadata」を導入。店舗のPOSシステムなどのデータ統合管理と蓄積に加え、ExadataのDR(Disaster Recovery)サイトで余ったリソースを使い、分析基盤としての試用も始めた。

きっかけはExadataの保守切れ

 クラウド活用のきっかけは2017年6月に迎えるExadataの保守契約切れだ。「5年経過後のハードウエアを新規購入に近い金額で更新することの費用対効果や、Exadataの保守運用に必要な専門のアドミニストレーターの確保が困難なこと」(吉村氏)から、契約終了に踏み切った。

 2013年2月にAWSがDWHサービスの「Amazon Redshift」を発表したことも、クラウドへの移行を後押しした。2014年6月に正式にExadataの契約を更新しないことと、今後はパブリッククラウドを第一の選択肢とするクラウドファーストの方針を掲げた(図2)。

図2 データ活用基盤におけるAzure利用の主な経緯
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