世界40カ国以上でエネルギー・化学・環境・医薬品・産業設備のプラント建設を一括で請け負う千代田化工建設。海外の売上比率が7割を占める、日本発のグローバル企業だ。

 同社は2015年にAWSの活用を始めている。一番手は各プラントの建設時に設立するジョイントベンチャー(JV)のEPC(Engineering=設計、Procurement=調達、Construction=建設)業務だ(図1)。

図1 AWS活用でコスト削減や短期間でのリソース調達を実現
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 千代田化工建設の北沢浩之 ITマネジメントユニット コーポレートICTセクション セクションリーダーは、AWS活用の理由をこう語る。「プラントを建設してプロジェクトの大半が終わっても、1~3年は会計業務などで1年に数回システムを利用する。そのため従来はオンプレミス(自社所有)環境にシステムを保持していた。クラウドを使い、必要なときだけシステムを稼働させることで、この無駄を省いた」。

 2015年11月にはHPC(High Performance Computing)でのAWSの活用を開始した。各プラントの建設前には事前検証として、配管内の液・ガス経路、機器の熱排出をモデリングする。具体的には品質や正確性を分析する「熱流動解析システム」などのため、膨大なデータの計算を複数実行している。

 北沢リーダーは「急な解析依頼の場合、従来のオンプレミス環境ではITリソースの確保に労力やコストが掛かっていた」と説明する。

 ほかにも「利用頻度は低いがデータを参照する機会があるレガシーシステムがいくつかあった」(千代田化工建設のITマネジメントユニット コーポレートICTセクションに所属する石野大介氏)。そのため2016年6月から、レガシーシステムのAWS移行を進めている。

 最近はプラントの建物と地図座標、設計図、2D/3Dデータを合成するシステムをAWS上に構築し、メンテナンスに活用している。「リリース時期は未定だが、新プロジェクトの開始に合わせて本稼働する準備は整っている状況」(石野氏)という。

 一連のAWS活用におけるインフラ部分の開発は、グループのシステム会社である千代田システムテクノロジーズが手掛けている。

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