パナソニックの社内カンパニーで、ビルや商業施設などのエネルギー管理事業を手掛けるエコソリューションズ社は、AWS上に構築したシステムをEC2を使わない「サーバーレス」に切り替えた。

 「2013年からクラウドの仮想マシンを使ってシステムを稼働させてきたが、運用コストが課題になっていた」――。パナソニック エコソリューションズ社 イノベーションセンター オフィスソリューション開発部 開発二課の天野昌幸課長は、サーバーレス化の狙いをこう語る。

 サーバーレス化の対象としたのは、建物の温度や蒸気ボイラーなどの圧力といったエネルギーデータを分析し、建物の熱源システムや空調システムを適切に調整するための分析システムだ(図1)。

図1 建物のエネルギー分析システムをAWS上に構築
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 天野氏は「こまめな消灯や室内エアコンの調整などの分かりやすい省エネを『オモテ』とするなら、分析システムは『ウラ』の省エネを実現する」と説明する。

専門家不足をクラウドで補う

 エネルギー分析システムにAWSを採用したのは、2013年のこと(図2)。国立研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発研究機構(NEDO)のプロジェクトを契機に商品化したPC版の分析ツールを、クラウド経由でビル管理会社に提供するシステム開発に着手した。

図2 AWSを活用した分析システム開発の主な経緯
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 空調設備の設計や保守などを手掛ける高砂熱学工業と共同で、2013年6月にクラウド版の開発を始めた。

 開発の狙いは専門家不足をクラウド化で補うこと。「分析ツールで扱うウラの省エネの実施には、高度な専門知識が必要」(天野氏)だからだ。

 クラウド経由で遠隔から専門家の指導を受けることで、「散在する建物ごとに専門家がいなくてもウラの省エネを実践できる」(同氏)。

 当時はPC版のツールを基に、EC2にC++言語でWindowsアプリを再開発。リモートデスクトップ技術で利用できるシステムを構築した。2014年には環境省の「エコチューニングビジネスモデル確立事業」で試験運用を実施。効果実証を重ね、2017年4月に「SatTool」クラウドサービス(EC2版)として提供した。

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