「5年間を振り返ってクラウドの本当の効果を感じるのは、ビジネス部門のスピードや新たな施策の試行錯誤に応えられるようになったことだ」。ミサワホームの宮本眞一 情報システム部長は、同社が歩んだクラウドファーストの取り組みをこう総括する。

 同社は2012年にシステムの移行や新規開発の際に、パブリッククラウドを稼働環境の第一の選択肢とする「クラウドファースト」の方針を掲げ、全システムを順次AWSに移行していった(図1)。

図1 基幹システムでクラウドファーストを実践
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 2017年10月時点で運用関連やそれほど重要ではない業務システムを除けば、大半のシステムをAWSに移行済み。宮本部長は「従来できなかったことも実現できているが、試算ではTCO(Total Cost of Ownership)を3割削減できている」と胸を張る。

新規システム開発にも活用

 単なる業務システムの移行だけでなく、最近はクラウドを活用した新規システム開発も数多く手掛けている。2017年5月には、AWS上で住宅の室内を三次元CG(Computer Graphics)化する仕組みを開発した(図2)。開発期間は約2カ月だ。

図2 AWS導入の主な経緯
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 AWSの仮想デスクトップサービス「Amazon WorkSpaces」を使ったクラウドVDI(Virtual Desktop Infrastructure)環境も導入済み。住宅建設予定地の住所を入力すると、各種オープンデータを収集し、AWS上で敷地調査報告書として自動的にPDF化する仕組みも構築した。

 新規案件について同部長は「どれもすぐに効果が出るわけではないが、クラウドの利用によってスモールスタートで数多くの案件をこなせるようになった」と変化を強調する。

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