「これまで1カ月のずれが出ていた出荷日の予測誤差を、2週間程度に縮められた。一定の効果が出ることを実感した」――。こう語るのは、養豚事業を展開するグローバルピッグファーム(GPF)の橋本豊 執行役員 企画開発サービス部 部長だ。

 同社は養豚の出荷予測に、Azureの機械学習サービスである「Azure Machine Learning(ML)」を活用し、予測精度を向上させた(図1)。

図1 養豚の出荷予測にAzure Machine Learningを活用
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 GPFは1983年に設立。全国約80の農場が株主となり、「和豚もちぶた」というブランド豚を生産している。2015年には年商300億円を突破した。年間の出荷頭数は「全体で年間54万頭」(橋本部長)という。

 各農場で生産した豚は、GPFを経由して出荷される。設立当初から全農場の生産データを収集・分析し、効率的な出荷に役立ててきた。デジタル化したデータはオンプレミス(自社所有)環境のSQL Serverに蓄積している。橋本部長は「蓄積しているデータは20年分はある」と話す。

 2010年には、蓄積データを使って養豚の出荷日を予測する仕組みを開発した。「当社の統計の専門家が、予測用のアルゴリズムとして5次関数を作った」(橋本部長)。

 しかし、予測結果と実際の出荷日とのずれが課題となっていた。橋本部長は「出荷予測日と適正体重の120㎏に達するまでの期間が、1カ月ずれることもあった」と話す。

 豚肉を市場で高く売るには、適正体重で出荷する必要がある。予測のずれは離乳から出荷までの肥育期間に個体差があることが原因だ。「種付けから分娩までは、人間の妊娠期間と同じように大体日数が決まっている。豚の場合は115日だ」(橋本部長)。離乳までも24日でほぼ個体差がないが、出荷までの肥育期間は130~160日と幅がある。

 肥育中に豚が死ぬことや、夏の暑い時期は餌を食べる量が減り、適正体重に達するまで時間が掛かるといった季節変動も、予測を困難にしていた。

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