「当初の想定を下回ったが、AWSへの移行でオンプレミス(自社所有)環境と比べて、システム全体で約4割コストを削減できた」――。リクルートテクノロジーズ ビッグデータ部 データマネジメントグループの本村聡グループマネジャーは、BI(Business Intelligence)ツールを使った営業支援ツールのAWS移行プロジェクトをこう振り返る。

 同ツールは2013年に、ある事業の営業支援用に独自開発した。本村氏は「営業企画など200人の利用者が、業績を把握したり、週次のレポートを作成したりするのに活用していた」と話す。

 当時はオンプレミス環境にシステムを構築していた。売上や受注などの会計系データと、Webサービス関連の事業系データをデータウエアハウス(DWH)に蓄積。BIツールで可視化する(図1)。DWHはアプライアンス製品を使っていた。

図1 DWHアプライアンスとBIをAWS上へ移行
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 同システムは事業側への提供コストが高いことや、安定した性能を提供できないといった課題があった。

 オンプレミス環境の場合、本番、ステージング、開発環境向けに機器を保持する必要がある。「サイジングはピーク時を想定しており、後から変更しにくいので無駄が多かった」と本村氏は語る。

 運用負荷の高さもコスト高につながっていた。「バグの原因究明や障害対応など、DWHアプライアンスの運用は高い専門性が求められる。10人の運用担当者は人件費が高いメンバーだった」(本村氏)。

 DWHアプライアンスはほかの事業の分析などで共同利用していたため、安定した性能を確保できない課題もあった。「ほかの事業で分析処理が入ると、BIツールの性能に影響が出ていた。日中は分析処理を控えてもらうようお願いしていた」と本村氏は打ち明ける。

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