京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2015年5月から、電子教材のログ(学習履歴)を収集・集計して分析するサービス「BookLooper kizuki」を販売している。分析基盤にはAzureを採用した。

 現在はAzureの仮想マシンサービスである「Virtual Machines」と、オープンソースのデータベースソフト「PostgreSQL」で分析基盤を構成している(図1)。当初はオープンソースの分析処理ソフト「Hadoop」が使えるAzureのPaaSである「HD Insight」を使っていた。

図1 電子教材の配信と学習行動をログデータとして取得
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 2015年末には一部のログをリアルタイム分析する仕組みも整えた。いずれもAzureのサービスであるストリーミングデータ受信の「Event Hubs」と、ストリーミングデータ処理の「Stream Analytics」で構築している。

 BookLooper kizukiは2013年に先行して提供開始した電子教材・文書配信サービスの「BookLooper」と組み合わせたサービスだ(図2)。BookLooperはKCCSのプライベートクラウド上に、オラクルのデータベース製品などを使って構築した。

図2 BookLooper kizuki開発・強化の主な経緯
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Azure上でログ分析

 BookLooperは大学の教職員が作成した講義資料や企業内の独自資料、出版社の電子教科書などを蓄積し、配信する機能を持つ。学生や社員はマルチデバイス対応のアプリ上で配信コンテンツを閲覧する。コンテンツにはメモやマーカーを追加したり、全文検索したりできる。

 閲覧したページ数やメモの内容、検索キーワードなどは、利用者の同意を得たうえでプライベートクラウドのBookLooperに収集し、Azure上に転送する。BookLooper kizukiはログを分析可能な形に加工する。分析結果は教職員や企業の担当者に定期的にレポートを配布するほか、閲覧者側のBI(Business Intelligence)ツールで閲覧・分析可能だ。

 KCCS 教育事業推進室 教育サービス課 責任者の名和輝明氏は、BookLooper kizukiの効果をこう語る。「例えばキーワード検索が多い部分は、学生が理解しづらいと判断して講義で補足するなど、改善に役立つ」。分析結果は学生や社員にもフィードバックされるため、「主体的に学習するアクティブラーニングの実践にもつながる」(同)とする。

 BookLooperやBookLooper kizukiの利用者は九州大学や慶應義塾大学といった大学が中心ではあるが、三井住友海上火災保険や三菱東京UFJ銀行など企業での導入も進んでいる。現在、「累計で10万超のユーザーがいる」(KCCS)とのことだ。

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