「クラウドがあったからこそ内製化に踏み切れた」。毎日新聞社デジタルメディア局の森雄司氏は、ニュースサイトの刷新プロジェクトを振り返ってこう語る。

 同社は2015年12月、オンプレミス(自社所有)環境で稼働していたニュースサイトや、CMS(Content Management System)をAWS上で刷新した(図1)。開発の主体となったのは、事業部門のデジタルメディア局だ。

図1 疎結合とオートスケールの方針で構築したニュースサイトシステム
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 デジタルメディア局の楢本隆治ディレクターは、「2014年の夏に次の戦略を考える合宿でシステムの内製化を提案した」と振り返る。

 内製化を提案した理由は、サイトのデザインや機能改善、新サービスの投入を迅速化するためだ。2015年6月には有料の電子新聞サービス「デジタル毎日」の開始を見込んでいた。「サイトの有料化に向けて、利用者の満足度を高めるには、日々サイトのデザインや機能を改善する必要があった」と楢本氏は話す。

 同社のIT部門とITベンダーが構築した、オンプレミス環境の旧システムは、「小規模の改修でも数カ月掛かり素早い改善が難しかった」(森氏)。

 内製化の実現に向けて森氏が目を付けたのがAWSだった。2013年の参議院選挙では、利用者と政党などのマッチングツール「えらぼーと」をAWSで構築していた。「これは使えるなと感じ、ほかの小さなサービスでも使い始めていた」と森氏は語る。

障壁(1)
AWS SDKで開発環境整備 専門知識無しでも開発可能に

 刷新プロジェクトが動き始めたのは2014年11月のこと(図2)。2015年7月にはシステム開発を始めた。課題となったのが開発メンバーの確保だ。

図2 AWS移行までの経緯
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 デジタルメディア局には約100人が所属し、その内デザイナーなども含め20人弱が開発を担っている。デジタルメディア局の神谷計デジタルビジネスG マネジャーによると、「AWSを使った経験の無い技術者がほとんどだった」という。

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