竹中工務店は2016年7月、自社関連の三つのビルをクラウド上で仮想的につなぎ、消費電力量の需要予測から実際の消費までを1棟として制御する仕組みを構築した。同社東京本店ビル、東陽町インテスビル、TAK新砂ビルを対象とした「新砂エリアVPP(バーチャルパワープラント)」の構築に向けた実証実験を実施している。

 新砂エリアVPPは複数の建物に設置された発電機、蓄電器、太陽光発電機などを統合制御し、一つの発電所のように機能させることを指す。

 電力需要の予測は、米Microsoftの機械学習クラウドサービスである「Azure Machine Learning(ML)」で実現している。Azure MLで構築した負荷予測システムと、蓄電池などをリアルタイムで制御するシステムを組み合わせることで、電力自由化で選択できる有利な料金体系を利用しやすくするのが狙いだ(図1)。

図1 複数ビルの電力需要をAzure MLで予測し、クラウド経由で一括制御
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 新電力では事前に申告した電力需要計画に対し、実際の消費電力量を30分単位で±3%以内に収めると、通常より安価な料金体系を利用できる(「30分同時同量」制度)。機械学習による予測が正確であればあるほど、万が一±3%の範囲を超えても、リアルタイム制御システムで蓄電池からの放電量を増やすことなどにより、30分単位では事前申告した電力需要計画の消費電力量に収めやすくなる。

 竹中工務店情報エンジニアリング本部の小林哲雄副部長は、「機械学習で電力需要を正確に予測できれば、申告した計画量と実際の消費電力量のかい離を減らせる。複数のビルを管理する顧客にとっては電気代の大きな削減が見込めるため、ビルの付加価値を向上できる」と話す。

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