キヤノンは2015年2月より、プリンティングサービスのような複合機などの顧客向けネットサービスの基盤を順次AWSに移行している(図1)。同社製複合機などとスマートフォン、PCなどとを連携させ、印刷したり、複合機からの情報を収集したりするネットサービスだ。

図1 AWS移行までの経緯
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 AWS移行に合わせて導入したのが、「マイクロサービスアーキテクチャー」と呼ばれる開発方針。アプリケーションを、独立性が高く、粒度の比較的小さいサービスに分割して開発するもので、アプリケーションの改変頻度を高められる。同社は、週に数回にわたり改変する「継続的インテグレーション(CI)」の体制を整えた。

 この取り組みをけん引する、八木田隆氏(映像事務機事業本部 主席)は、「以前はインフラの障害対応などに時間を割かざるを得ず、機能更新は1年に3回程度しか実施できなかった」と振り返る。

AWSの革新スピードに着目

 八木田氏が打開策の手本としたのがAWSの運用体制だ。「AWSは1年間で数百回のサービス更新をしている。全サービスについて、独立性を高め、API(Application Programming Interface)で制御できるようにした。このことが、AWSの革新スピードを支えている」と八木田氏は捉え、AWSに移行したうえで、同様の開発方針を取り入れようと考えた。その開発方針がマイクロサービスアーキテクチャーだった。

 それは具体的にどんなアーキテクチャーか。プリントサービスのアプリケーションの例を、図2示した。

図2 複合機向けネットサービスのシステムのアーキテクチャー
プリントサービスの例。認証の機構は省略した
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