人材サービス大手のテンプホールディングスは2016年2月、グループの標準ITインフラとして、AWSを第一の選択肢とする「クラウドファースト」を経営会議で宣言した。

 ITインフラをオンプレミス(自社所有)環境からクラウドへと移行したきっかけは、2013年3月に発表したインテリジェンスとの合併だ。2014年7月にはITインフラ統合プロジェクトを開始した。テンプホールディングス グループIT本部の滝澤信昭本部長(当時)は、「情報を1カ所に集約して効率化を図るには、まずITインフラから統合しようとなった」と話す。

 従来、テンプホールディングスとインテリジェンスは東京都内で三つのデータセンターを利用していた。滝澤氏と同じくグループIT本部の植田一哉氏(グループITインフラ部 部長)は、「利用していたデータセンターの設備は老朽化が進んでいた。契約期限が迫っていて移転する必要もあった」と語る(図1)。

図1 テンプホールディングスのクラウド移行の概要
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 運用負荷の増大や、事業部門が求めるシステム構築の速度を実現できていないという課題もあった。「ハードウエアが原因の障害が多く、運用負荷が増大していた。インフラ整備に何週間も掛かり、事業部門の要求に応えられなかった」(滝澤氏)。

 これらの課題を克服するため、同社はITインフラのクラウド移行を検討した。ところがクラウドファースト宣言に至るまでの道のりは簡単ではなかった。

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