積水化学工業は、グループの従業員約2万3000人が利用するアプリケーション「iSmile」を、2014年からAWS上で稼働させている。社内ポータルサイトやスケジュール、掲示板、文書管理などのグループウエア機能のほか、電子メールの機能も持つ。

 いずれも自社開発したアプリケーションで、従来はオンプレミス環境で運用していた。ハードウエアの保守切れを機にAWSに移行した。

 移行以来、コストを抑えつつユーザーの使い勝手を高めるために工夫を重ねてきた。特に注力したのがメールのシステムだ。性能維持のため、流量制御やオートスケーリングの仕組みを独自に作り込んだ。

 運用管理ツールも自作した。作業の効率化やトラブル防止のほか、コスト管理にも役立てている。

IaaSの利用が基本方針

 同社のAWS活用の基本方針は、PaaS(Platform as a Service)ではなく、IaaS(Infrastructure as a Service)の利用(図1)。「仮にAWS がサービスを中止しても、他のサービスに乗り換えられることを重視した」(積水化学工業 コーポレート 原和哉情報システムグループ長)。

図1 積水化学工業のAWS活用方針と、「iSmile」のシステム構成
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 iSmileの移行も、AWSの仮想マシン「Amazon EC2」上に既存アプリケーションを移行し、稼働させる方法を採った。実際、グループウエア機能はほぼそのままAWSに移行した。

 工夫が必要だったのはメールシステムである。性能をめぐる課題が大きく二つ表面化し、独自機能を作り込んで対処した(図2)。

図2 AWSへのiSmile移行の経緯
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