マイナンバー最前線

【必修 企業のマイナンバー取り扱い実務とは】第4回 (3/3)

マイナンバーの適正な取り扱い(下)

榎並 利博=富士通総研 経済研究所 主席研究員

【2015/07/21】

マイナンバーの廃棄

 個人情報保護法では個人情報を廃棄するという考え方がなかったが、マイナンバー法ではマイナンバーの廃棄が義務となる。マイナンバー関係の事務を処理する必要がなくなった場合で、法令の保存期間を経過した場合には、マイナンバーをできるだけ速やかに廃棄または削除しなければならないとされている。

 廃棄のタイミングは各企業の運用に任せられているが、期末や年度末の書類整理のタイミングで行うことが望ましい。「何カ月経過したら違反」ということではないが、特定個人情報が記載されている書類を放置しないという運用が求められる。

 ただし、企業として保存期間が経過しても残しておきたい書類があるかもしれない。この場合はマイナンバー部分が問題になるので、紙の場合はマイナンバーを墨塗りする、電子データの場合はマイナンバー部分を削除すればそのまま保管を継続できる。

マイナンバーの公表・開示・訂正・利用停止等

 マイナンバーは個人情報でもあり、マイナンバーの公表・開示・訂正・利用停止等については個人情報保護法に従って運用することになる。

 たとえば、特定個人情報について本人から保有個人データの利用目的の通知を求められたときは、本人に対して遅滞なく通知しなければならない。また、本人から保有個人データの開示を求められたときには、本人に対して保有個人データを開示しなければならない。訂正や利用停止等も、個人情報保護法にのっとって運用していくことになる。

 この段階でマイナンバー法が規定しているのは「第三者提供の停止」である。これは、「自分の特定個人情報が違法に第三者に提供されている」という訴えがあった場合、それが事実であれば遅滞なく第三者への提供を停止しなければならないという規定である。当たり前のことと思われるが、ネット上で拡散してもはや停止できない場合も出てくる。その時にはマイナンバーを変更し、本人の権利利益を保護することが想定されている。