現場の若手を全社でフォロー

 東洋建設が若手の教育にこれほど至れり尽くせりなのはなぜか。

 多くの建設会社にとって、若手の先輩に当たる今の30歳代は、採用を絞っていた谷間の世代。若手が気軽に質問できる相手がいない現場は多い。「こうした若手を全社でフォローするのが狙いだ」(北村部長)。

 また、海洋土木を得意とする同社では、作業船を使った浚渫(しゅんせつ)工事などコンクリートを全く使わない現場も珍しくない。これではコンクリート工事を施工管理する技術が身に付かない。通信教育で知識の偏りをなくす効果も期待する。

 4年ほど前から始めた通信教育の成果は着実に上がっている。

 例えば、最短で3年の実務経験があれば受けられる1級土木施工管理技士の学科試験の合格率は90%台に上昇。一方、入社3年後の若手の離職率は1割ほどに低下した。

[若手との接し方] まずは何気ない会話から
日本コンサルタントグループ 建設産業研究所 酒井 誠一
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 建設会社の社員研修などで出会う20歳代の若手は、同世代以外と積極的にコミュニケーションを取らないと感じる。性格は「真面目、素直、おとなしい」。仕事が順調に進んでいるときの調子は良いが、不測の事態に弱い。

 上司や先輩と信頼関係を築き、仕事の動機付けさえ成功すれば、真面目なので成長は早いのではないか。若手の仕事ぶりを認めているよと、上司や先輩が普段の何気ない会話の中で伝えることが大切だ。まずは「ありがとう」や「ご苦労さん」でも構わない。

 若手がOJTで技術的な内容をどれくらい習得しているのかを確かめるには、「はい」、「いいえ」で答えられるクローズド・クエスチョンではなく、「次の手順を言ってごらん」のように説明を求めるオープン・クエスチョンが有効だ。答えに間違いがあれば指摘し、似たような状況のときにもう1度、同じ質問を投げかけてみるとよい。(談)