プランテックグループは朝食を無料提供

 食を通じた「働き方改革」を試みた設計事務所が、もう1つある。プランテックグループだ。同グループの東京事務所が入居する紀尾井町パークビル(東京都千代田区)内でフロアを拡張し、カフェスペースなどを新設している。就業前の午前8時から9時30分まで、社員に朝食を無料で提供している。

プランテックグループが東京事務所の増床に併せて9階に新設した「PLANTEC CAFE」。朝食やコーヒー、水を無料で提供する。フランク・ゲーリー氏をはじめ、建築家がデザインした椅子などをそろえた(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

 同グループでコンパクトホテルを展開するファーストキャビンのスタッフが、生地から焼き上げたパンやサラダなどを提供する。コーヒーサーバーを常設しており、朝食時の利用のほか、打ち合わせスペースとしても活用可能だ。ここで顔を合わせたスタッフ同士でコミュニケーションが生まれ、いくつかの仕事が片付くというケースもあるという。

 同社の大江匡会長兼社長は「建築界の古い文化を変えたいとずっと考えていた。こうしたスペースを持つ大手設計事務所は珍しいだろう。社員の仕事を効率化し、クリエイティブな仕事につなげる環境づくりは、優秀な人材を呼び込むためにも重要だ」と話す。

9階に新設したセミナールーム。70人規模のセミナーの開催が可能だ(写真:日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

 3月28日には政府が「働き方改革実行計画」をまとめるなど、法制度の整備は本格化しつつある。働き方改革を背景にしたハード面の相談が増えたという設計者も少なくないだろう。

 新しいオフィスの内覧会などに行くと、「こんな環境で働けるなんて、うらやましい!」と思う筆者だが、そんな環境をつくり出す側のみなさんに向けてあえて言いたい。「身体が資本」、「健康第一」である。食や健康を通じて、まずは自社の働き方を見直してみるのはどうだろう。

出典:日経アーキテクチュア 2017年4月12日公開
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。