オフィス外での勤務を認める制度も開始

 新オフィス移転を機に始めた取り組みはほかにもある。まずオフィス内のどこでも仕事をしやすくするため、ネットワーク接続には無線LANを全面採用。ネットワーク設計も社員が手掛けた。

 ただ、敷設作業は苦労の連続だった。同作業を担当した、サービス開発部 情報システム課の宮澤慶氏は「都会の無線LANを甘くみていた。ビルのあちこちから電波が出ていて干渉し、頻繁に接続が切れた」と振り返る。半年以上をかけて改良を重ね、快適なネットワーク環境を作り上げた。

 オフィス内には、各所にセンサーを配置(写真9)。各エリアの気温や湿度、明るさなどを測定し、グラフ化して表示している(写真10)。データの分析も開始しており、オフィスの生産性向上に生かす予定だ。エンジニアにとっては、IoT(Internet of Things)関連の知識やスキルを身に付けるのにも役立つ。

写真9●天井に取り付けられたセンサー
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写真10●オフィス内の温度や湿度などが刻々と表示される
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 オフィス外での勤務を認める「クラウドワークスタイル制度」も、オフィス移転後に作られた。一定のセキュリティが確保できる場所であれば、事前申請の上で自宅やカフェなどで業務ができる。オフィスの固定席を廃止したことで、「必ずしも会社という決まった場所にいなくても仕事ができるのでは」といった認識が広まり、制度化された。今では「オフィスに来るのは週2日、それ以外はオフィス外といった働き方をしている社員もいる」(西川氏)。

 クラウドワークスタイル制度で、仕事の進め方そのものも変わったという。離れた場所にいる人との共同作業が当たり前になったため、情報共有のためのドキュメントを残すなどの工夫が日常的に行われるようになった。その結果、福岡や大阪、仙台など、東京以外のオフィスで働くメンバーとのやり取りもスムーズに進むようになった。

出典:ITpro 2016年5月27日公開
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