“三つのC”でエリアを分ける

 同社オフィスの特徴は、「そのときの仕事の内容や状況によって適切な席を選べる」(シェアードサービス部 総務・経理課の大野麻理氏)ことだ。フロア内は、大きく三つのエリアに分かれている()。仕事の中身を分解し、「Communication」「Collaboration」「Concentration」の三つに分類できると気づいたためだ。

図●仕事の内容や状況によって、三つのエリアに分けた
(出所:サーバーワークス)
[画像のクリックで拡大表示]

 Communicationは、他の社員との会話を通じて発想を広げたり、問題解決への道筋を見出したりする作業。Collaborationは、ペアプログラミングなど複数人による共同作業だ。そしてConcentrationが、一人で集中する作業。同じ種類の作業をしている人同士が集まって座ることで、スムーズに業務を進める。

画面●社員から様々な要望が寄せられた
(出所:サーバーワークス)
[画像のクリックで拡大表示]

 ヒントになったのは、オフィス移転の決定後、社内サイトで募った社員の要望だ(画面)。「必ずしも実現できるとは限らないが、まずは要望を自由に記述してほしい」と呼びかけたところ、「集中するスペースが欲しいという声が多く寄せられた」(大野氏)。

 例えば設計やプログラミングに集中しているときに電話がかかってくると、思考が中断されてしまう。何にも邪魔されずに仕事に没頭できる空間があれば、生産性が上がるという意見だ。

 座席配置については、座る席を自由に選べるフリーアドレスを望む声も複数あった。ただ、「完全に自由席にしてしまうことには、否定的な意見もあった」(大野氏)。上長が部下の様子を把握しにくくなる、自分に合った機器を使いにくくなる、などの懸念によるものだ。

 そこで、フリーアドレスの利点と欠点を子細に検討。フリーアドレスを導入している企業にヒアリングをしたり、部分的にフリーアドレスを試験導入したりしながら、自社にとって適切なスタイルを探った。たどり着いたのが、自分の状況に応じて適切な席を選ぶ方式だった。