日本企業の海外進出が加速している。外務省の「海外進出日系企業実態調査」によれば、2017年10月1日時点で海外に進出している日系企業の総数(拠点数)は7万5531拠点に上る。前年に比べ、3711拠点(約5.2%)の増加となり、過去最多を更新した。

 日本企業の海外進出が増える背景には国内問題がある。少子高齢化の進展、労働生産人口の減少といった日本の構造的な問題により、新たな販路の拡大や人件費の安い労働力の確保を海外市場に求めて生産・販売拠点を移転する企業が増加している。

 一方、海外に進出する企業には、現地法人や海外子会社に対しても、国内と同様に経営の透明性や健全性といったガバナンスが欠かせない。また、現地の法制度や商習慣を理解し、順守するコンプライアンスもグローバル経営では重要になる。

株式会社IIJグローバルソリューションズ
代表取締役社長
岩澤 利典 氏

 日本国内の本社と数多くの海外子会社/海外拠点を国際ネットワークで結んでいる場合は、情報セキュリティ対策が必須になる。だが、海外拠点にセキュリティ専任担当者はおろか、日本語が通じるIT担当者を配置することすら難しい企業は少なくない。そういった状況では個々に機器を調達・設定し、監視・運用までを現地で行うことは現実的ではない。その結果、セキュリティ対策が手薄な海外拠点がサイバー攻撃にあい、そこを踏み台に日本の本社が狙われるリスクもある。また、セキュリティインシデントによりシステムが停止するような事態になれば、自社のみならず、サプライチェーンを構成する取引先に影響を及ぼすことも考えられる。海外拠点のセキュリティ対策の強化は、自社だけの問題ではないことを経営者、IT管理者は理解し推進していく必要がある。

 そのため、日本の本社経営層はIT部門に対し、企業のITガバナンスの観点から海外拠点も含めて対応するように指示を徹底する動きも見られるようになってきた。

 だが、「課題は山積しています」と指摘するのは、IIJグローバルソリューションズの社長である岩澤利典氏だ。「現地と日本の連携が一番難しい、現地の状況がよく分からないといった理由から、日本のIT部門は海外拠点の面倒を見るのが難しい状況です」と企業の海外IT事情を説明する。

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