働き方の自由度向上で企業ネットワークも変革が必要に

 働き方改革が進むことで、企業システムのユーザーの自由度は、かつてなかったほどに拡大している。社内はもちろんのこと、移動時間や取引先、自宅といった社外からでも、業務に必要なアプリケーションやサービスにアクセスすることが当たり前になってきたのだ。これによって移動中などの隙間時間も有効活用できるようになり、コミュニケーションスピードが向上し、意思決定の時間も短縮可能になってきた。また在宅勤務でも、社内と遜色のない情報が利用できることで、育児や介護に伴う離職も防止しやすくなっている。

 しかしこのような変化は、企業ネットワークに大きな変革を要求している。従来のようにオフィス内にLANを敷設し、データセンターとの間をWANで接続する、といった構成では、ユーザーニーズに対応できなくなっているのだ。現在の企業ユーザーが利用するのは、社内のアプリケーションだけではない。Microsoft Office 365に代表されるクラウドサービスを複数組み合わせ、それらにモバイル端末からアクセスする、といった使い方も既に一般的になっている。当然ながら企業ネットワークも、ユーザーの利用形態の変化に合わせていかなければならない。

 ここで重要になるのが、ユーザーや端末と、ネットワークの向こう側に存在するアプリケーションを、End-to-Endでどのようにつないでいくか、という考え方だ。企業ネットワークはこの考え方をベースに将来の方向性を見据え、それを段階的に実現していかなければならない。

 その方向性を見据える上で役立つのが、研究段階でどのようなトレンドがあるのかを知ることだ。東京大学 大学院情報学環 大学院学際情報学府で専攻長を務める中尾 彰宏教授は、現在のネットワーク研究には「モバイル」「ソフトウエア化」「データ活用」という3つの流れが存在し、それが近い将来に現実のネットワークにも反映されていくだろうと指摘する。

 以下では、その3つの流れを中心に、中尾教授と日本ヒューレット・パッカード エンタープライズ第一営業統括本部 新事業推進室 室長兼通信・メディアCTO 重松 隆之氏、同社 Pointnext営業統括本部 ソリューション開発本部 本部長 大村 恵吾氏の間で交わされた議論を紹介する。

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