クラウドにもベンダーロックインのリスクが浮上

 現在、大手のクラウド事業者の間では、IaaS(Infrastructure as a Service)においては低料金化、PaaS(Platform as a Service)とSaaS(Software as a Service)では競合に対して機能の差異化という激しい競争が繰り広げられている。デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいる先進企業の間では、多種多様なクラウドサービスの中から「おいしいとこ取り」をする「マルチクラウド」と呼ばれるシステム形態が増えつつある(図1)。

図1●マルチクラウド環境のシステム形態
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オンプレミスとプライベートクラウドで稼働するシステムに加えて、複数のクラウド事業者がパブリック・クラウド・サービスとして提供しているIaaSやPaaS、SaaSを活用するような形態になる

 オンプレミスとプライベートクラウドで稼働するシステムに加えて、複数のクラウド事業者が提供するパブリック・クラウド・サービス(IaaS、PaaS、SaaS)を活用するような形態である。かつて、AWS(Amazon Web Services)を全面採用している企業として紹介されていた米ネットフリックスでさえ、現在はマルチクラウド化を推進しているほどだ。

 確かに、AI(人工知能)やアナリティクスをはじめとする最新技術を駆使したPaaSやSaaSが相次いで登場しており、DXを加速している側面がある。ただし、このようなクラウド事業者独自のサービスを利用することによって、新たなリスクに遭遇することになる。それは、クラウド事業者にロックインされてしまうことだ。さらに、システムの運用が複雑化・高度化するという課題もある。求められるスキルが、異なる複数のシステム基盤の運用管理を担っていかなければならないからである。

 マルチクラウド環境における理想像は、システム基盤の違いを意識せずに、相異なるシステム基盤へとアプリケーションを容易にマイグレーション(移行)できることである。その時々で、アプリケーションごとに最適なシステム基盤が変わってくるからだ。こうした仕組みがなければ、おいしいとこ取りを継続することはできない。最近は、これを実現するソリューションも登場している。

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