課題が山積する物理環境のデータ保護変革のポイントとは

 "驚安の殿堂"で知られる小売店といえば、ドン・キホーテだ。1989年3月に1号店を東京・府中市にオープンして以来、顧客に買い物を通じて、コンビニエンス、ディスカウント、アミューズメントを同時に提供するという店舗コンセプトを掲げ、買い物自体を楽しむ「時間消費型店舗」のビジネスモデルを築き上げてきた。この独自の事業戦略が功を奏し、ドン・キホーテグループは27期連続増収営業増益を達成。2016年6月現在、日本国内および米国に計341店舗を展開する。

 その中核となる株式会社ドン・キホーテ(以下、ドン・キホーテ)は、情報システムの開発・運用においても独自のスタイルを築いている。まず、顧客にディスカウント価格で商品を提供する流通小売業であることから、そのコストはシビアに精査する。また、特定のベンダーやシステムインテグレータに依存することなく、システムごとに最適なハードウエア、ソフトウエア、ベンダーを選定し、情報システム部自らが主導権を握って迅速に動く。

 それにより、ここ数年プライベートクラウドの活用も積極的に進め、すでに数百に上る仮想化システムが統合運用されている。その一方で、ドン・キホーテには物理環境のシステムも12、合計40台近いサーバが存在する。前述のとおり、業務システムごとに構築を行ったため、ネットワーク接続も含めて個々に環境が異なっていた。バックアップも各システムを担当するエンジニアが個別に行う体制を取っていたが、そこには運用の工夫だけでは解決しがたい問題がいくつも存在した。

 そこで、物理環境のデータ保護変革に本腰を入れることになる。結果として、バックアップ時間が1/12に短縮するとともに、数百万円単位のコストの削減を実現する。ドン・キホーテは、いかにしてデータ保護変革を実現したのか――。ここからは、その具体的な取り組みを紹介する。

次ページ以降は日経 xTECH Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。