既存システムの世界にもデジタル変革の波が迫る

 デジタル化が進む中、多くの企業は、従来のビジネスを支える「基幹系システム」と、競合との差別化ビジネスを創造する「新規システム」の双方の運用を強いられている。特にビジネスの差別化を創造する場では、激しい市場の変化やニーズに対して、どれだけ迅速にサービスを提供できるかが勝負のカギとなる。

 ここでいう基幹系システムとは、正確にデータを管理することを重視し、初期の設計段階から大きく変更することがないSoR(Systems of Record)を指す。一方、日々変化する要求に対応できることを前提としたシステムは、SoE(Systems of Engagement)と呼ばれ、迅速性や柔軟性、スケーラビリティが重視される。

 特に、システムアーキテクチャの世界では、このSoRとSoEが互いに連携しあってサービスを構成していく必要がある。ここで注意しなければいけないことは、SoEのアーキテクチャだけがこれからの世の中を支え、SoRのアーキテクチャが時代に取り残されるというわけではない、ということ(図1)。

図1●SoRとSoE
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デジタルトランスフォーメーションによってSoRが不要になるわけではない。SoRとSoEの密な連携を図っていくことが、次世代のITインフラのポイントとなる

 今後は、迅速性や柔軟性、スケーラビリティを重視したSoEが、企業内にどんどん増えていくだろう。そうした中でSoRは、これまで通りの役目を果たしつつも、さらなる運用効率化やコスト削減を目指すため、適宜、最適なプラットフォームを検討しなければいけない。そうすることで、SoRとSoEが連動するシステム全体のモダナイズや、管理・運用の効率化を図ることができ、デジタルトランスフォーメーションを加速することが可能になるからだ。

 ただし、ここで問題になるのが、SoRに適した新たなプラットフォームをどのように選択し、どう移行するかということである。ミッションクリティカルな業務を担うSoRは、単にすべてを新しいプラットフォームに移行すればよいというものではない。

 そこで、迅速性の高いシステムを構築する1つの手段として注目されているのが、コンテナ基盤であるKubernetesを活用することだ。

 次ページ以降で、ビジネスリスクや工数、コストを最適化し、時流に即したSoRを実現するためのアプローチについて考えてみたい。

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