老舗企業でフル稼働する典型的なひとり情シス

 1932年に創業して以来、ダイヤモンド工具でものづくりの現場を支えてきた東京ダイヤモンド工具製作所。「切る」「削る」「磨く」「穴を開ける」といった加工を家電・半導体・電子デバイス・医療・土木など幅広い分野で支えるため、高い技術で工具を提供し続けている。80年を超える老舗企業の同社だが、ITに対しては新しいツールの積極導入を怠らない。AWS(Amazon Web Services)の利用や、基幹システムの仮想化などにより業務のスピード感と効率化を両立させている。

 そうした東京ダイヤモンド工具製作所が、2017年11月に新しくクラウド運用管理ツールを導入した。サイオステクノロジーの「SIOS Coati」がそれだ。同社 システム担当 担当部長の小久保拓志氏は、SIOS Coatiの提案を受けたときに、「30秒で導入を即決しました」と語る。それほどまでに、クラウド運用管理ツールの必要性を高く感じていたのは、なぜなのだろうか。

 同社がAWSによるクラウド化を推進することになったきっかけの1つは、東日本大震災だった。それまで、サーバー類は東京・目黒の本社にオンプレミスで設置していた。一方で宮城県には工場があり、ラックにIT機器を設置していた。東日本大震災では本社のサーバーには直接の被害は出なかったものの、仙台工場の機器がラックから落下するなど大きな被害があった。BCP(事業継続計画)の必要性を体感したことから、取り組みを積極化することになったのだ。その取り組みとして、基幹システムのデータセンターへの移行による仮想化と、AWSに代表されるクラウドの活用が始まった。

 まず情報系の比較的軽めのアプリケーションから、クラウドへの移行を始めた。「2011年11月頃に検討を開始しました。当時はAWSしか選択肢がないような状況でした」(小久保氏)。ソニーネットワークコミュニケーションズのクラウドポータル「マネージドクラウド with AWS」を利用することで、運用を自社で管理できるようにした。小久保氏は、いわゆる「ひとり情シス」で、できる限り業務を効率化・自動化することが、海外も含めた同社のITシステムを円滑に運用するために欠かせない。

 AWSの利用もそのための1つの答えであり、同社はクラウド上の仮想サーバーサービスAmazon EC2(以下、EC2)とクラウドストレージサービスのAmazon S3を導入した。さらにクラウド運用管理ツールの導入も円滑で安全な運用に必要不可欠だった。その流れの中で2017年にEC2の自動監視・復旧ができるSIOS Coatiの導入を即決した小久保氏には、実は直前にひとり情シスの悲哀とも言える体験があったのだ。

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