リース基準が変更され、不動産の賃借料もオンバランス化

 グローバル展開を進める企業をはじめ近年適用企業が増加しているIFRS(国際財務報告基準)。その最新基準であるIFRS16が2019年1月1日以降開始する事業年度からいよいよ強制適用となる。

 IFRS16の最大のポイントは、借手のリース契約が原則オンバランスとなることだ。ファイナンスリースとオペレーティングリースの区分が廃止され、リース会計は単一処理となり、すべての借手リース契約に対して情報開示が求められる。しかも、IFRS16ではリースを「資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約又は契約の一部分」と定義しているため、リースと名のついていない不動産賃貸借契約もこの中に含まれる。当然、賃借料も原則的に貸借対照表に記載してオンバランス化しなければならない。

 本社や支社・営業所の社屋、社宅、駐車場などで賃貸借契約を行っている企業は多い。全国展開している小売・流通業、サポート拠点を多数展開するサービス業などは特にインパクトが大きいだろう。

 新基準に対応するためには、不動産の賃借料もほかの会計処理と同じように月内決算が必要だ。経理部門にタイムリーに情報が上がってくる仕組みを構築しなければ、スムーズに処理できない。新基準対応は全社を巻き込んだ大掛かりなプロジェクトになる。

 その強制適用まで実質1年を切った。IFRS16対応は“待ったなし”の状況だが、将来を見据えた対応を考える上でも、早期の取り組みが必須である。というのも、米国の財務報告基準も制度改正があり、IFRSと足並みを合わせて全ての借手リースがオンバランスとなる。そうなると日本基準だけが“蚊帳の外”に置かれ、グローバルスタンダードに大きく遅れをとる。早晩、現行の日本基準にもリース会計の単一処理が盛り込まれる可能性が高いといわれている。日本のリース会計が大きく変わるため、IFRS16適用企業でなくても影響が大きい。

 新基準の適用には、当然システムの対応が必須となるが、その前にやるべきことは多岐にわたる。これを怠ると、プロジェクトの成功は遠のいてしまう。新基準対応で「失敗しないためのポイント」とはどのようなものなのだろうか。

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