「データはすべてクラウドへ」は現実的ではない

 国内でもデジタル変革の成功事例が次々登場するようになった。その推進力として重要な役割を果たしているのがクラウドだ。業種・業態を問わず、システム構築の際にクラウドファーストを掲げるケースが一般的になってきた。

 だが一方で、端末の近くにコンピューティングパワーを配置する「エッジコンピューティング」の重要性を指摘する声も増えている。

日本ヒューレット・パッカード株式会社
ハイブリッドIT事業統括
ハイブリッドIT製品統括本部
カテゴリーマネージャー
北本 貴宏氏

 「IoTの広がりにより、センサーデバイスなどのシステムの末端(エッジ)で生成されるデータがどんどん増えています。それらすべてをクラウド上で活用しようとすると、データ転送量に応じたコスト増やレスポンス低下といった問題が表れます。これを回避するため、エッジ側でデータを一次処理するアプローチが注目されているのです」と話すのは、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)の北本 貴宏氏だ。

 エッジコンピューティングによって、大量データのリアルタイム処理が容易になる。インターネット経由のデータ転送で課題になるセキュリティリスクも低減できるほか、機密情報はエッジのみで扱うといった運用により、GDPR(EU一般データ保護規則)をはじめとする国や地域ごとの法令にも、柔軟に対応できるようになるだろう。

 こうしたニーズに対応する製品として、HPEが展開しているのが「HPE Edgeline」(以下、Edgeline)シリーズだ。その特長は大きく3点ある。第1はサーバールーム以外の場所での使用に耐える「耐環境性」。第2は、大量データの処理が可能な「性能・容量」。そして第3が、機器の設置場所まで足を運ばなくても運用管理が行える「リモート管理機能」だ。

日本ヒューレット・パッカード株式会社
ハイブリッドIT事業統括
クラウドプラットフォーム統括本部
技術本部
ビジネスソリューション部
ITスペシャリスト
三宅 祐典氏

 「当社は、約3年前に全く新しい製品カテゴリとしてConverged Edge Systemを定義し、現在EL300、EL1000、EL4000の3機種をラインアップしています。1000と4000はIntel XeonプロセッサーとNVIDIAのGPUが搭載可能。また、300は最近リリースした新機種で、最大32GBのメモリーと2TBのSSDが搭載できるハイスペックなエッジコンピューターです」と同社の三宅 祐典氏は紹介する。

 HPEのパートナーからは、このEdgelineを生かした独自ソリューションが続々登場している。そこで次ページ以降では、大量データの処理が必須となる「画像解析」の領域について、パートナー2社のソリューションを紹介。エッジコンピューティングの可能性に迫ってみたい。

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