人手不足や熟練者の高齢化、品質問題…相次ぐ課題の打開策とは

 深刻化する労働力不足、熟練者の高齢化による技術継承の壁、頻発する工事データの偽装・改ざん問題――。世界に誇る日本のものづくりに黄色信号が灯り始めている。

 日本のものづくりの最大の強みは長年の経験やノウハウに基づく現場力だが、働き方改革や生産性向上、納期の短縮化などが求められる中、これまでのやり方でその現場力を維持・向上していくのは難しい。

 こうした課題を解決する手段として、注目を集めているのが、IoTをはじめとするデジタルテクノロジーの活用だ。製造業の現場、つまり工場や生産プラントのデータを収集・分析・活用することで、生産業務の改善、人員配置の最適化、機器の予防保守、製品歩留まりの改善など幅広いメリットが期待できる。

 実際、データの利活用に対する製造業の期待は大きい。経済産業省の「2018年版ものづくり白書」によれば、データの収集・利活用にかかる戦略・計画を主導するのは「経営者、経営戦略部門」が55.1%と過半数を占め、前回調査の29.6%から大きくポイントを伸ばした。ものづくりにおけるデータ利活用の重要性が経営陣に広く浸透し、それを経営主導で進めようとする機運が高まっているようだ。

 その一方で、現場の取り組みとの間には大きなギャップが見られる。収集データを生産プロセスの改善・向上などに活用している企業は15~17%程度にとどまり、前回調査と大差ない。経営主導によるIoT活用への関心は高まっているものの、それを現場力の改善にまで落とし込めていないことが分かる。

 その理由はなぜか。「そもそも活用できるデータが少ない」「データ収集が目的化している」「データをどう活用するかが不明確」など様々な指摘がなされている。そうした中、経営と現場のギャップを克服し、積極的なデータ利活用で現場力を改善・強化する企業も増えつつある。

 成功企業はどのような取り組みを実践し、どのような成果を挙げているのか。ここではKDDI DIGITAL GATE Forumで開催された「ものづくり現場×デジタル変革~製造・生産現場が実現する次なる一手」を基に、注目すべき事例を紐解き、デジタル技術活用を成功に導くヒントを考察したい。

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