BtoCとBtoBの違い、フェーズごとに変わる関係者をとらえよ

 マーケティング担当者なら、よく耳にするであろう「カスタマージャーニー」。顧客の行動や思考を理解して、様々なマーケティング施策を検討・実施したりする上で重要な考え方だ。

 ここでは、ある会社を例にBtoBマーケティングにおけるカスタマージャーニー作成のポイント、さらには見落としてしまいがちな顧客の行動・思考・特徴を整理し、KPIの設定方法や効果的なマーケティング施策を検証していく。

 IT関連のパッケージソリューションの開発・提供を行っている「A社」は、新サービスを開発し、提供を開始した。A社のマーケティング担当者には、新サービスの「新規顧客開拓」のため、営業担当者の商談設定を行うというミッションが課された。

 そのために作成したカスタマージャーニーが図1だ。

 まず注目したいのがニーズの発生前だ。BtoCでは顧客の行動起点が「個人的な興味関心」となる場合が多いが、BtoBにおける行動起点はあくまで「業務上の必要性」である。従って、個人的な興味関心ではないということを明確に区別している。

 次に検討開始までの流れを見てみよう。マーケティング担当者は、課題が発生、あるいは顕在化したタイミングを検討開始のきっかけととらえている。どんなサービスも必要性がなければ検討されないということを理解しているからだ。

 加えて、導入までの検討のフェーズを複数に分けていることも特徴的だ。BtoBにおいては検討にかかわる人が多くなるため、関係者や目的に応じてフェーズを複数に分けるとカスタマージャーニーがわかりやすくなる。A社のカスタマージャーニーは、情報収集、ベンダー調査/リストアップ、サービス精査/評価とし、フェーズごとの顧客の行動・心理を整理している。

 このカスタマージャーニーを基にA社のマーケティング担当者は、具体的な施策の検討に取り掛かった。その際、当初は思いもよらなかった「気付き」、気が付かなければ危なかった「落とし穴」が、最終的な施策決定のポイントになったという。次からは、それを紹介していく。

図1●A社のカスタマージャーニー
[画像のクリックで拡大表示]

次ページ以降は日経 xTECH Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。