人間行動シミュレーションから混雑原因を短時間で発見する技術を開発

空港全体の混雑原因を数分で発見でき、有効な緩和施策を提案

 

 株式会社富士通研究所(注1)と学校法人早稲田大学(注2)理工学術院高橋真吾教授は、人間行動シミュレーションの結果から混雑につながる原因を自動で分析する技術を開発しました。

 人間の行動をエージェントとしてモデル化する人間行動シミュレーションは、現在、緊急時の避難行動の予測や都市計画時の人の動線確認などで活用されています。その中でも、混雑予測のシミュレーションでは、大量のシミュレーション結果から専門家が混雑の原因を分析し一つずつ検証していくため、多大な時間がかかる上、原因の見落としが発生することが課題となっています。

 今回、数千から数万のエージェントがそれぞれとった行動や経路の結果を1つ1つ項目として羅列せずに、ある程度共通する項目でグルーピングし、少数の項目の組合せでエージェントの特徴を表現することで、混雑に関わったエージェントの特徴を抽出しやすくする混雑原因発見技術を開発しました。これにより、様々な人の属性や行動パターンにあわせた混雑緩和の対策が可能となります。

 本技術により、インバウンド増加や都市集中型による商業施設やイベント会場などの混雑への緩和策をいち早く検証でき、快適で安全な社会に貢献します。

 本技術の一部は、12月9日(日曜日)からスウェーデンのヨーテボリで開催される国際会議「WSC 2018(Winter Simulation Conference)」にて発表します。

 ※図1は添付の関連資料を参照

■開発の背景

 イベント会場や空港、ショッピングモールなど、多くの人が集まる場では、しばしば混雑による顧客満足度や売上の低下が問題となります。現状では、入退場や支払いなどへの設備・対応人員の増強以外に、案内板の設置やクーポン配布による空いている場所や時間に誘導する方法などで混雑の緩和を図っています。しかし、より効果的な対策を行うためには、どのような属性の人々がどのような情報を認知し、どのような行動をとるかを知り、効果的な混雑緩和の手法を採ることが重要です。

 現在、多様な人々の属性や認知、行動を表現したエージェントモデルを構築し、計算機上で混雑状況を仮想的に模擬することで、混雑が生じる原因の分析と施策の評価を行う人間行動シミュレーションが注目されています。これまで富士通研究所および富士通株式会社は、国内外で16件の特許出願を行うなど、精緻なシミュレーションを可能にするエージェントのモデルに関する研究を進めてきました。また、早稲田大学高橋研究室では、組織システム、消費者行動、企業戦略など、様々な社会システムの課題解決のためのエージェントベースシミュレーションを開発してきました。

 ※以下は添付リリースを参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

図1

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0497610_01.jpg

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0497610_02.pdf