NEC、独居高齢者におけるフレイル(虚弱状態)の重症化防止に向けたコミュニケーションシステムの研究開発を開始

 

 NECは、主に独居高齢者におけるフレイル(虚弱状態、注1)の重症化防止に向けて、タブレット端末を活用したバーチャルアシスタントによるコミュニケーションシステムの研究開発を本日より開始します。

 本研究開発では、NECのバーチャルアシスタント「Tablet PaPeRo(タブレット パペロ)」を活用し、虎の門病院 大内 尉義院長(東京大学名誉教授、日本老年医学会前理事長)と東京大学 小川 純人准教授による監修のもと、高齢者におけるフレイルの進行抑制に効果的な日々のコミュニケーション機能を開発して本システムに搭載します。また、本システムを用いて、高齢者の日常生活における孤独感の軽減や、要支援・要介護の初期症状に対する気づき、心身の活力低下の見守り・安否確認などの利活用のための評価・検証を行います。さらに、医療法人社団創福会 ふくろうクリニック等々力(所在地:東京都世田谷区、院長:山口 潔)の協力のもと、世田谷区居住の独居高齢者を対象に、本システムの有効性検証を2019年4月から実施する予定です。

 NECは、本研究開発を通じて、高齢者と家族や医療介護従事者との安全・安心なコミュニケーションシステムの実現を目指し、独居高齢者におけるフレイルの重症化防止やADL(日常生活動作、注2)の維持向上に貢献していきます。

 なお、本研究開発は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構による「ロボット介護機器開発・標準化事業(開発補助事業)」の一環として実施するものです。

■背景

 昨今、国内における高齢化・核家族化が進行する中、家族と離れて暮らす独居高齢者も増加傾向にあり、その人数は推計約620万人規模(注3)とされています。

 また、加齢に伴う身体機能・認知機能の低下による独居高齢者の閉じこもりや社会的隔絶が社会問題となる一方、高齢者におけるADLの維持向上のためには家族や医療介護従事者の適切な介入・支援が不可欠であることから、フレイルの重症化防止や要支援・要介護状態の早期発見に向けた具体的な取り組みが重要になっています。

■研究開発の概要

 本研究開発では、独居高齢者におけるフレイルの重症化防止に向けて、主に以下の機能を開発します。

1.バーチャルアシスタントを活用したコミュニケーション機能を開発

 NECのコミュニケーションロボット「PaPeRo(パペロ)」の利用実績・ノウハウを盛り込んだ「Tablet PaPeRo」を活用し、季節・時間帯に応じた声かけや服薬・通院などのスケジュール通知、フレイル防止などを行うコミュニケーション機能や日々の体調を把握する対話型AI(チャットボット)を開発します。また、虎の門病院 大内 尉義院長(東京大学名誉教授、日本老年医学会前理事長)と東京大学 小川 純人准教授による監修のもと、高齢者とのコミュニケーションで取得した表情・音声データに基づき、フレイルの進行状況を分析します。また、ふくろうクリニック等々力の医師・臨床心理士と共同で、重症化対策に効果的な声掛け条件・内容の評価・検証を行います。

2.家族や医療介護従事者との簡単かつ利便性の高い情報共有機能を開発

 顔認識・音声認識技術やテキスト変換技術の活用により、表情・音声に応じてタブレット端末のディスプレイ上にテキストや画像を表示し、高齢者の家族や医療介護従事者と簡単に情報共有できるSNS機能を開発します。また、家族や医療介護従事者からの情報通知機能、高齢者の服薬状況や血圧・体重等のバイタルデータの情報共有機能、医療介護従事者が高齢者宅に訪問した際の情報記録機能なども開発します。

 *参考画像は添付の関連資料を参照

 NECは、本研究の成果や知見を踏まえ、今後も表情・音声などから高齢者の心身の状況を推定するAI技術の開発も検討していきます。

 NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

以上

 (注1)フレイル:加齢とともに、心身の活力(筋力や認知機能など)が低下し、生活機能障害、要支援・要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態。適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能。

 (注2)ADL:Activities of daily living

  食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動のこと。

 (注3)内閣府平成28年版高齢社会白書

  URL: http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_2_1.html

 ※本システムは研究開発の段階であり、現時点では販売・授与はできません。

 

 

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参考画像

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0494176_01.JPG