Wi-Fiの中継機とメッシュネットワークは何が違う?

 グーグルの「Google Wifi」やティーピーリンクジャパンの「Deco M5」のような「メッシュネットワーク」に対応するWi-Fiルーターが注目されている。「メッシュ」とは網目のこと。要するに、複数のWi-Fiルーターが網目状につながる仕組みの製品だ。仕様は「IEEE 802.11s」(以下11s)と呼ぶ規格によって2011年に定められた。メッシュネットワークでは、複数の親機を別々の地点に設置することで、宅内の隅々まで電波が届きやすくする。そのため、複数の親機をセットにした製品が多い。

 一方で、バッファローの「WEX-1166DHPS」のような「中継機」にも数多くの製品がある。中継機は親機につないで、電波の到達範囲を広げるもの。機能面だけを見ると、中継機とメッシュネットワークの明確な差は分かりづらい。

 2つの方式の違いは、接続時における柔軟性にある。中継機では、親機と同一のSSIDを使うことが多い。SSIDが同じなら、場所を移動しても子機側の設定を変えずにそのまま通信できるからだ。しかし、子機の接続先は、必ずしも最寄りの機器になるとは限らない。例えば、スマートフォンを接続先の中継機から離れた場所で使おうとしたとき、親機につないだ方が明らかに電波が強いのに、電波が弱い中継機に接続し続ける、という状況が起こり得る。

 一方、メッシュネットワークでは、親機同士が自律的に判断し、子機のある場所に応じて、最適な接続先を決める仕組みがある。メッシュネットワーク内も同一のSSIDを使うので、子機の場所を移しても、設定を変えることなく、安定した通信が期待できる。また、通信速度も高い。通常の中継機は、同じ帯域を使って親機と子機につなぐので、通信速度は理論値の半分になるが、メッシュネットワークでは親機同士の接続に子機と異なる周波数帯を割り当てられるため、速度の低下は中継機に比べて小さいとされる。

 現状のメッシュネットワーク製品で注意したいのは、互換性が不明瞭という点だ。仕様については11s規格で定められたものの、Google Wifiのように規格の準拠を明示していない製品もある。このため、メッシュネットワークに異なるメーカーの親機を混在させた場合、正常に動作する保証はない。

SSID▼
無線LANで通信相手を識別するために用いる文字列。親機であるアクセスポイントと子機、あるいは子機同士で同じSSIDを設定すると通信可能になる。
Wi-Fiの電波が届かない場所では、中継機の導入かメッシュネットワークを構築することで改善が期待できる。左はバッファローの中継機「WEX-1166DHPS」、右はティーピーリンクジャパンのメッシュネットワーク対応Wi-Fiルーターユニット「Deco M5」
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Wi-Fiルーターと中継機を同一のSSIDで接続した場合、子機が近い方につながるかは分からない。一方、複数の親機を相互接続するメッシュネットワークでは、子機の電波強度などに応じて最適な接続先に切り替える仕組みがある
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